281：しりとり ページ33
今、なんて言った？
Aは固まってしまう。
当のヒソカはと言えば、固まるAを気にも留めず「もっと良い言い方があるか♢」と呟き言葉を続ける。
「付き合うとか言ってしまうと、さほど普段と関係は変わらないから、そうだな…恋人になろうか♤」
それはもう本当に、平然と。
今日の晩御飯を決めるが如く、自然に。
こっちからしたら普段の関係と大きく変わるよと突っ込んでやりたい気持ち山々だった。だが、それよりも。それよりも、だ。
今、恋人になろうとか言った？
ばく。
ばく、ばく。
まただ。
急速に心臓が高鳴り、血管の中で血が素早く駆け巡る。
一歩。
「…A？」
また一歩。
「え、どうして退いてるの？A？A？？？」
ヒソカの呼び掛けにも応答しず、Aは一歩ずつ退く。
なんなんだその反応は。
「えっと…A、ボクの話聞いてた？」
尋ねると同時、Aの瞳とヒソカの瞳がかち合う。
瞬間だった。Aの顔がぶわっと誰が見ても一目瞭然と言わんばかりに赤く染ったのは。
思わず、なにその可愛い反応。と言ってしまいそうになるヒソカだが、動物みたいになってしまったAを更に挙動不審にさせてしまう訳にもいかない。
じり、ヒソカが一歩踏み出す。
突然、Aが真っ赤な顔のまま声を上げた。
「あ、あるぱか！！」
？？？？？
沈黙がやってくる。
ヒソカは困惑したまま、少し考えて言葉を繋げてみた。
「か、かさ♢」
「さざえ」
？？？？？？？？
どういう展開のしりとり？？？
なにより、なんとなく繋げてみたら、なんとそれにしっかりしりとりで返ってきたことが驚きだ。
なんだこの狂った状況は。
理解出来ないままヒソカは繋げる。
「え…えだまめ♧」
「めだか」
「かに！」
「に、＿＿＿＿にげる！！！」
突然、ぐるんと体を捻ったAは、そのまま廊下を真っ直ぐ全力疾走で駆けていく。
ゾルディック直伝の素早さをそこに生かすんじゃないよ。なんて言う暇もなく、Aはその場から文字通り“逃げた”
ぽかんとするヒソカ。
今のA。
言い返してこなかったな。
「はい嘘〜」なんてあしらっても来なかった。
というか………なんだ、あの真っ赤になる反応は。
びゅう、と風が短く吹いて、ヒソカは「ふむ…」と髪を掻き上げる。
沸き立つのは、彼の本能である狩人の魂。
「逃げるって……あの子はこのボクから本気で逃げられると思っているのかな♤」
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» コメントありがとうございます！新しい扉開けたようで、私としてはとても嬉しい限りです限りです😂現在進行形で長く続くシリーズではありますが、是非引き続きお楽しみください！！ (2022年6月1日 22時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます...！実は私ヒソカさん、可もなく不可もなくくらいだったのですが...この話を読み始めたらなにやら目覚めました...笑← 一気に読み進めてしまい、夢中になっております！！続編もウキウキしながら楽しみに読みます！！ (2022年6月1日 20時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 毎回ポテトさんからコメント頂けて本当に有難いです；；私こそ、ポテトさんからのコメントを楽しみにしているんですよ…段々クロロとのシーンが刻々と迫ってきていますね…私自身も皆さんにお見せできる日を楽しみにしています！こたらこそ、以降も宜しくお願いします！ (2021年7月9日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト(プロフ) - 続編おめでとうございます。本当に一話一話を読むのが、楽しいです。これから、お姉さんがクロロとどう関わっていくか楽しみです。ヒソカとの、いつもの会話が久しぶりに見れて、「やっぱりこれだよな」と思い、最高でした。これからのお話も楽しみにしています。 (2021年7月8日 22時) (レス) id: 1bfcbf4b39 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» ああありがとうございます；；凄く達成感を感じますね…この展開、ネタ帳を見たら昨年の9月に決まってたみたいでビックリしました。温めていたものを皆さんに見せられてとても満足しています。神回まで言われて、本当に嬉しい限りです…；；；； (2021年6月29日 0時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年5月30日 0時
