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278:ハンター試験終了 ページ30

「勿論、私は今回のイルの件許したつもりないわよ」

横でつーんとするイルミをAは軽く睨む。
それでも、すぐに元の表情に戻りイルミの肩にぽんと手を置く。

「でも、私がイルを大好きな双子の弟だと思ってるのは変わらない。双子だからかな、喧嘩する時ってどうしても壮絶なのよ。こう、心からのぶつかり合いって言うのかな」

「姉さん、余計なこと話しすぎないでよ。コイツがそこまで知る必要ない。というか、それは俺と姉さんだけが知ってればいいよ」

イルミはじとりと目を細める。
ゴンは双子を交互に見比べた。
不思議な双子。性格も顔も似てないのに、妙に合致する。
凸凹で成り立ってる。本当にそんな感じだ。


「ゴン君、」


呼ばれて、ゴンは急いでAに目を向ける。
Aはふわりと、しかし何処か影を帯びた笑みを浮かべた。


「君の声なら届くよ。私のは、届かなかったみたいだから」


力不足だったかなぁ、とAは乾いた笑いと共に付け足す。
すると、ゴンは強く首を横に振り「そんな事ない!!」と声を上げた。

「キルア、お姉さんのこと尊敬してるって前に言ってた。迷ったら道を示してくれるって、でも示してくれるだけで後は自分が進むだけなんだって。今回もきっと、キルアはお姉さんの言葉で道がどれか分かったと思う。考えてると思う」

ゴンは少し俯き、今は考えてる段階なんだよきっとと呟き、そしてまた顔を上げAを見る。

「お姉さんが居なかったら、俺きっとキルアと友達になれなかった。会えなかった!力不足なんかじゃない、お姉さんが居たから俺たち出逢えたんだよ!!」

Aは目を丸くして、ゴンの瞳をじっと見た。
お世辞なんかじゃない。心から言っている。
くしゃり、Aは片手で顔を覆ってそのまま前髪を掻き上げる。

そして、ゴンに今一度目を向け、やれやれと笑った。


「ゴン君、やっぱり君は凄いよ」


ゴンはにっと笑う。
Aはそれを見届けると、ネテロへと顔を向けた。

「先生、話は終わりました」

「うむ、聞いておったよ」

頷くと、ネテロはそのまま「さてと、」と切り出した。

「これで誰も異論はないかのう。うむ、無さそうじゃな。では____」

ネテロの声が高鳴る。


「ここに居る八名を、新たにハンターとして認定する!以上、解散!!」



これにて、第287期ハンター試験終了____。

279:そんなわけが無い→←277:凸凹な双子



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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» コメントありがとうございます!新しい扉開けたようで、私としてはとても嬉しい限りです限りです😂現在進行形で長く続くシリーズではありますが、是非引き続きお楽しみください!! (2022年6月1日 22時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます...!実は私ヒソカさん、可もなく不可もなくくらいだったのですが...この話を読み始めたらなにやら目覚めました...笑← 一気に読み進めてしまい、夢中になっております!!続編もウキウキしながら楽しみに読みます!! (2022年6月1日 20時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 毎回ポテトさんからコメント頂けて本当に有難いです;;私こそ、ポテトさんからのコメントを楽しみにしているんですよ…段々クロロとのシーンが刻々と迫ってきていますね…私自身も皆さんにお見せできる日を楽しみにしています!こたらこそ、以降も宜しくお願いします! (2021年7月9日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト(プロフ) - 続編おめでとうございます。本当に一話一話を読むのが、楽しいです。これから、お姉さんがクロロとどう関わっていくか楽しみです。ヒソカとの、いつもの会話が久しぶりに見れて、「やっぱりこれだよな」と思い、最高でした。これからのお話も楽しみにしています。 (2021年7月8日 22時) (レス) id: 1bfcbf4b39 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» ああありがとうございます;;凄く達成感を感じますね…この展開、ネタ帳を見たら昨年の9月に決まってたみたいでビックリしました。温めていたものを皆さんに見せられてとても満足しています。神回まで言われて、本当に嬉しい限りです…;;;; (2021年6月29日 0時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年5月30日 0時

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