277：凸凹な双子 ページ29
「それに関しては、私も納得しているの。もうどうこうするつもり無いわ」
「お前が一番異議申し立てしてたじゃねーかよ！」
「申し立てに正当性があるかは明らかにしておく必要があるじゃない。あんまり煩いとシバくわよ」
「シバ…ッ、」
ギョッとするレオリオ。
後ろから、「いいなぁシバかれるの」と声がしてAはすかさず「ややこしくなるからヒソカ君黙ってなさい」と告げる。
「そういう訳だけど、ゴン君。君はこれを理解しているね？」
ゴンは強く頷く。
「合格かどうかは問題じゃない。それに、キルアは次また受けても受かるって俺は信じてる」
ゴンの強い眼差しと言葉に、Aは「いい返事だ」と短く返した。
「それを理解してるなら、君に任せても問題は無いね。ゴン君、キルを助けてあげて」
Aの言葉に、イルミが「姉さん、勝手してもらっちゃ困るよ」と口を挟んだ。
「ウチに来たら、コイツは死んじゃうよ間違いなく。そうしたら、キルは本格的に悲しむね」
「どうかしら。断定するには早すぎると私は思うけど」
それに、Aは続ける。
「貴方だって“勝手した”んだから、次は私が“勝手して”も文句言えないわよね。双子は平等、そうでしょ？」
Aの言葉にイルミは何も返さない。
ゆっくりとAから視線を外し、ゴンへ移すとイルミは品定めするようにゴンを冷たい瞳で眺めた。
そして、ゆっくりと自由な方の片手を持ち上げる。
ゴンの目の前に、時間をかけて片手が伸びていく。
まるで、片手に囚われたよう一瞬にしてゴンはその手から視線を外せなくなってしまった。
怖い、ゴンの頭の中でその二文字が浮かび上がった瞬間。
パシッ、イルミの手首を掴んだA。
ゴンの目の前数cmの所でAが止めたのだ。
「次は無い」
Aから発せられた声音なのだろうか。
ゴンがそう思ってしまうほどに、その声に体温が一切感じられなかった。
暫くAとイルミが無言で見合う。
ゴンは頭上で交わされる無言の睨み合いに、不安そうに生唾を飲み込んだ。
ゴンの喉を生唾が通りきった時、Aはぱっと手を離す。
「ゴン君、びっくりした？」
「えっ？」
突然問われ、ゴンはぱちくりと瞬きする。
Aは、先程とは違う優しい表情と声音でゴンに向き直る。
「姉弟でこんなに喧嘩して、大丈夫かって」
「う、うん。もう姉弟辞めちゃうかもって俺ちょっと思った」
「大丈夫よ。私とイル、この程度の喧嘩よくするから」
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» コメントありがとうございます！新しい扉開けたようで、私としてはとても嬉しい限りです限りです😂現在進行形で長く続くシリーズではありますが、是非引き続きお楽しみください！！ (2022年6月1日 22時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます...！実は私ヒソカさん、可もなく不可もなくくらいだったのですが...この話を読み始めたらなにやら目覚めました...笑← 一気に読み進めてしまい、夢中になっております！！続編もウキウキしながら楽しみに読みます！！ (2022年6月1日 20時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 毎回ポテトさんからコメント頂けて本当に有難いです；；私こそ、ポテトさんからのコメントを楽しみにしているんですよ…段々クロロとのシーンが刻々と迫ってきていますね…私自身も皆さんにお見せできる日を楽しみにしています！こたらこそ、以降も宜しくお願いします！ (2021年7月9日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト(プロフ) - 続編おめでとうございます。本当に一話一話を読むのが、楽しいです。これから、お姉さんがクロロとどう関わっていくか楽しみです。ヒソカとの、いつもの会話が久しぶりに見れて、「やっぱりこれだよな」と思い、最高でした。これからのお話も楽しみにしています。 (2021年7月8日 22時) (レス) id: 1bfcbf4b39 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» ああありがとうございます；；凄く達成感を感じますね…この展開、ネタ帳を見たら昨年の9月に決まってたみたいでビックリしました。温めていたものを皆さんに見せられてとても満足しています。神回まで言われて、本当に嬉しい限りです…；；；； (2021年6月29日 0時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年5月30日 0時
