275：変革 ページ27
それに、Aは言いながら例の”アレ”を取り出す。
「これ被れば酷い顔なんてバレないでしょ」
どんと出されたウサギ頭。
ヒソカは目をじとりと細め言ってやる。
「何度も言ってるけど、ボク君のそういう意味不明なとこ嫌いじゃないよ♢」
ふと、ウサギ頭を被ろうとするAを呼んでみる。
「なに？」
すでにいつもの調子を取り戻した顔で、Aはヒソカに応える。
無言でじっとAを見つめるヒソカ。
「え、なに。まだ酷い顔してるって言いたいわけ？」
不気味なほどに何も言わないヒソカに、Aは眉間に皺を寄せる。
「…いや、ううん。何も、呼んだだけだよ♤」
ヒソカの言葉。
その後すぐに、何故か妙な間が生まれたと同時、Aが突然胸元を押さえた。
驚いた顔をして、ぎゅうと衣服を握るA。
その謎の行動に、目の前のヒソカも「えっと…、どうしたの？」と困惑の表情を見せる。
Aは急いで胸元から手を離し、ウサギ頭を深く被る。
「な、何にも…」
挙動不審な声音。
いや、何にもじゃないだろとヒソカは呼び止めようとしたが、Aがそそくさと出口へ向かってしまい問うのをやめた。
＿＿＿＿＿。
ゴンが説明会場にやってきたのは、ネテロが話し始めて暫く経った後だった。
突然、勢いよく扉が開いたかと思えば物凄い剣幕でゴンはやってきた。
そして、彼は誰よりも先にイルミを見つけると、ひな壇になった部屋の階段を降りてイルミの下まで真っ直ぐ向かう。
Aはゴンの姿を目で追い＿＿ウサギ頭ではあるのだが＿＿彼に声をかけようとしたがそんな隙さえ無い。
隣のヒソカとAは顔を見合わせた。
「キルアに謝れ」
Aの瞳がその言葉に丸くなる。
ゴンは皆の視線を集めているにも関わらず、そんな事気にも留めてないと言う様子でイルミに告げた。
「謝る？何を？」
イルミはゴンを見る事なく尋ねる。
「そんなことも分からないの？お前に兄貴の資格ないよ」
「兄弟に資格はいるのかな」
言った途端、ゴンは片手でイルミの腕を掴むと投げるように椅子から引き摺り下ろした。
宙を舞うも、イルミはバランスを崩すことなく階段の上に降り立つ。
「友達になるのだって、資格なんていらない！！」
力任せにイルミの腕を握りしめ、骨と肉が軋んでいく音が鳴る。
ゴンの真っ直ぐな瞳。迷うことのない声音。
Aは呼吸するのを忘れた。
弟のために、ゴン君はあんなにも怒れるんだ。
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» コメントありがとうございます！新しい扉開けたようで、私としてはとても嬉しい限りです限りです😂現在進行形で長く続くシリーズではありますが、是非引き続きお楽しみください！！ (2022年6月1日 22時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます...！実は私ヒソカさん、可もなく不可もなくくらいだったのですが...この話を読み始めたらなにやら目覚めました...笑← 一気に読み進めてしまい、夢中になっております！！続編もウキウキしながら楽しみに読みます！！ (2022年6月1日 20時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 毎回ポテトさんからコメント頂けて本当に有難いです；；私こそ、ポテトさんからのコメントを楽しみにしているんですよ…段々クロロとのシーンが刻々と迫ってきていますね…私自身も皆さんにお見せできる日を楽しみにしています！こたらこそ、以降も宜しくお願いします！ (2021年7月9日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト(プロフ) - 続編おめでとうございます。本当に一話一話を読むのが、楽しいです。これから、お姉さんがクロロとどう関わっていくか楽しみです。ヒソカとの、いつもの会話が久しぶりに見れて、「やっぱりこれだよな」と思い、最高でした。これからのお話も楽しみにしています。 (2021年7月8日 22時) (レス) id: 1bfcbf4b39 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» ああありがとうございます；；凄く達成感を感じますね…この展開、ネタ帳を見たら昨年の9月に決まってたみたいでビックリしました。温めていたものを皆さんに見せられてとても満足しています。神回まで言われて、本当に嬉しい限りです…；；；； (2021年6月29日 0時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年5月30日 0時
