274：誰だと思ってんの ページ26
「君があれだけ啖呵を切って、周りはただ傍観して終わったとしたら奴ら相当馬鹿だよ♧」
頬から手を流れるように沿わし、Aの頭にポンと手を置く。
「君が知る協会は、あれを見て黙っている程馬鹿じゃあないだろう？」
恐らくだけど、それなりの議論はされるだろうね。
ヒソカは自身の顎を撫でながら言う。
そして、Aに目を向けいつも通り狐のような笑みを見せた。
「君の家の事だから、ボクはイルミが正しいか君が正しいかは判断できないけど、君の行動が無駄では無いことだけは分かるよ♢」
君はよく頑張った、ヒソカはAの頭をぽんぽんと撫でてやった。
Aの目が何度か瞬き、ヒソカの顔を映したまま顔を顰める。
「馬鹿にしてる？」
「可愛がってる♡」
「本当は？」
「慰めてる♤」
本当に？
本当だよ。
瞳だけで最後は言葉を交わし終えると、Aの瞳が急加速に潤んだ。
ヒソカが自分の名を呼ぶ前に、Aは片手で顔を隠し「あんまり見ないで」と先回りする。
「なんなの、本当、もう、もう…」
言葉にするにつれ、ボロボロと涙が溢れ何度拭っても止まらなくなる。
見られたくないのに、ヒソカはAの腕をとって「擦ると良くないよ♧」と少しだけ笑って述べる。
腕を振り払う気にもなれない。
ほっとしたというよりも、『無駄じゃなかった』『君は頑張った』と与えられた言葉はAを間違いなく救った。
毎回それを理解して、わざとらしく手を引いてくれるヒソカが腹立たしい。
凝り固まった感情が解け、彼のおかげでほっとし泣き出してしまう自分が恥ずかしい。
隠そうとするAの両手をヒソカがとる。
「そろそろ合格者の説明会あるけど、泣き止みそう？」
「うる、さい…っ、」
ひくとしゃくりあげ返す。
「代わりに君の分まで聞いてこようか？」
Aは子供のように首を振る。
鼻を啜りながら、Aは「行く」と述べる。
「これで、私が『ハンターになんかならない』って選択を出したら、キルは絶対ふざけんなって言う。自分で勝ち取ったのに、俺のせいでそんな我儘言ってんじゃねーぞって。姉がそんな事でくだらない我儘言い出したら、それこそ示しがつかないわよ」
Aは目尻に溜まった涙を親指で拭った。
もう泣かない。
ヒソカはその言葉に、一瞬呆けた顔をしたあと口元を緩める。
「君って、本当に心の底から長女だな♧」
「誰だと思ってんの。ゾルディック家よ私」
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» コメントありがとうございます！新しい扉開けたようで、私としてはとても嬉しい限りです限りです😂現在進行形で長く続くシリーズではありますが、是非引き続きお楽しみください！！ (2022年6月1日 22時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます...！実は私ヒソカさん、可もなく不可もなくくらいだったのですが...この話を読み始めたらなにやら目覚めました...笑← 一気に読み進めてしまい、夢中になっております！！続編もウキウキしながら楽しみに読みます！！ (2022年6月1日 20時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 毎回ポテトさんからコメント頂けて本当に有難いです；；私こそ、ポテトさんからのコメントを楽しみにしているんですよ…段々クロロとのシーンが刻々と迫ってきていますね…私自身も皆さんにお見せできる日を楽しみにしています！こたらこそ、以降も宜しくお願いします！ (2021年7月9日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト(プロフ) - 続編おめでとうございます。本当に一話一話を読むのが、楽しいです。これから、お姉さんがクロロとどう関わっていくか楽しみです。ヒソカとの、いつもの会話が久しぶりに見れて、「やっぱりこれだよな」と思い、最高でした。これからのお話も楽しみにしています。 (2021年7月8日 22時) (レス) id: 1bfcbf4b39 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» ああありがとうございます；；凄く達成感を感じますね…この展開、ネタ帳を見たら昨年の9月に決まってたみたいでビックリしました。温めていたものを皆さんに見せられてとても満足しています。神回まで言われて、本当に嬉しい限りです…；；；； (2021年6月29日 0時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年5月30日 0時
