263：姉解禁 ページ15
ぱさ、と落ちた銀の長い髪。
長い睫毛を持ち上げると、そこから覗くのはキルアとよく似た青い瞳だった。
先程まで体をすっぽり覆い隠していたコートは、身長が伸びた事で腿あたりまでの丈に変わっていた。
「きつ…」
呟き、コートの前を開けると中からは、タイトな黒いワンピースに包まれた肢体が現れる。
スリットから覗く腿は白く、抜群の体型を保ちつつ程よく筋肉が備わっている事が伺える。
「全力の君が相手か…最高だね♡」
くす、と笑うヒソカをAは「やかましい」と睨みつける。
困惑の空気の中、遂に彼女の弟が叫ぶように声を上げた。
「ね、姉ちゃん！！？？」
「ごめんね、キル。騙してたつもりは無かったの」
涼しい顔で笑い述べるAに、その他の試験者達は「姉ちゃん！？」とキルアの言葉を復唱した。
「あ、アレが例のバケモン姉貴だってのか！！？」
「だぁれがバケモンですって、レオリオ君」
やれやれ、失礼するわ。とAは胸の下で腕を組む。
どう見ても彼女は美しい部類に属する見た目をしているのだが、それよりもあのウサギが…という衝撃が未だに拭えない。
「アレだな…未だに理解が追いついてねーせいか、全てが受け入れられん」
レオリオは目を擦って、俺は何かとんでもない夢でも見てんのかと錯覚してしまう。
「キルアは暗殺一家の息子だから……えっと、だから、要は貴方も……」
半信半疑にこちらを見るクラピカに、Aは「仮面の奥を見せただけで、そんな余所余所しくする事ないわよ」と笑ってみせる。
「割と君とは喋っていた方だと思うんだけどなぁ」
眉を下げ笑うAは、年相応の綺麗で優しげな女性を思わせた。
しかし、トリックタワーでキルアが言った言葉を思い出す。
姉貴の方が殺すのは上手い。
アイツは、心臓に手を入れた時同時に穴を開けるから、わざわざ心臓なんて取らない。
人は見かけによらないとはまさにこの事か。
Aは、ふふんと笑って片手で髪を払う。
「言う通り、暗殺一家の長女。プロってことね。だから＿＿＿＿、」
Aは、自身の後ろに居るヒソカを親指で指しながら顔を顰める。
「あんな奴に私の面子潰させる訳にいかないの。悪いけどクラピカ君、次の試合アレと宜しくね」
後ろでは、また無茶苦茶言ってるなとヒソカが肩を竦める。
「あれがキルアのお姉さん！？うっわー、俺会ってみたかったんだー！」
キルアキルアと囃し立てるゴンに、「うるせぇ…」と不服そうに返すキルア。
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» コメントありがとうございます！新しい扉開けたようで、私としてはとても嬉しい限りです限りです😂現在進行形で長く続くシリーズではありますが、是非引き続きお楽しみください！！ (2022年6月1日 22時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます...！実は私ヒソカさん、可もなく不可もなくくらいだったのですが...この話を読み始めたらなにやら目覚めました...笑← 一気に読み進めてしまい、夢中になっております！！続編もウキウキしながら楽しみに読みます！！ (2022年6月1日 20時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 毎回ポテトさんからコメント頂けて本当に有難いです；；私こそ、ポテトさんからのコメントを楽しみにしているんですよ…段々クロロとのシーンが刻々と迫ってきていますね…私自身も皆さんにお見せできる日を楽しみにしています！こたらこそ、以降も宜しくお願いします！ (2021年7月9日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト(プロフ) - 続編おめでとうございます。本当に一話一話を読むのが、楽しいです。これから、お姉さんがクロロとどう関わっていくか楽しみです。ヒソカとの、いつもの会話が久しぶりに見れて、「やっぱりこれだよな」と思い、最高でした。これからのお話も楽しみにしています。 (2021年7月8日 22時) (レス) id: 1bfcbf4b39 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» ああありがとうございます；；凄く達成感を感じますね…この展開、ネタ帳を見たら昨年の9月に決まってたみたいでビックリしました。温めていたものを皆さんに見せられてとても満足しています。神回まで言われて、本当に嬉しい限りです…；；；； (2021年6月29日 0時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年5月30日 0時
