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220:異常気象 ページ22

「『あれ、見て!』」

鳥達が逃げ去った先。
地平線へ皆の視線を向けるよう、ウサギは人差し指を指した。

「な...、なんだ、ありゃ...」

ハンゾーがまず声をあげ、続いて各面々が息を呑んだ。

夕日が海に煌めき、辺りは綺麗な紫とオレンジに包まれていた。
しかし、その夕日がどこがおかしい。


地平線に半分ほど隠れる太陽が、何故かそのすぐ上にも半分浮かび上がっていた。
まるで鏡合わせのような。だが、そんなものがどうして空に浮かぶのか。

誰もが、異常気象を頭に浮かべた。

「大気が、歪んでいる...」

「『通りで通信が出来なかったわけだ』」

クラピカに続き、ウサギはプラカードを掲げた。
どういう事だとレオリオが片眉をあげる。

「『恐らく、あの通信は今日どころかずっと前から出来ていない。肉眼で見てる程、大気の歪みが見えるってことはもっと前から大気に異常が発生していたってことだヨ』」

「おいおい、じゃあ.....今から一体何が起ころうとしてんだよ...」

レオリオが驚愕の声を出したその時だった。
ゴンが突然「やっぱり、音が聞こえる!」と声を張り上げた。


音...?
さっき言ってた.......____!!


「『本当だ。低い地響きみたいな音...!』」

ゴン君、私も聞こえるよ
ウサギはプラカードを掲げて、今一度窓の外へと耳を凝らした。
間違いない、絶対に聞こえている。

レオリオとクラピカは聞こえない様子だったが、キルアは違った。

「あぁ。聞こえる。俺も、今度こそは聞こえたよ」

どんどん音が近づいてくる。
昼間聞こえなかったという事は、それ程音の正体が遠くにあったということ。
だが、今は違う。

「不味い.....」

クラピカが後ろで小さく呟いた。
窓に目をやっていた者は、クラピカへ視線を移す。
クラピカは血の気が引いた顔をし、例の航海日誌を手にしていた。

震える声でクラピカは言う。

「...10年に1度の異常気象がやってくる」



強風と低気圧が竜巻を作り出し、そして海の上で起こったそれは渦潮をも巻き上げる。
甚大な被害をもたらす大竜巻。


それが、今からこの軍艦島にやってくるのだ___。




すっかり夜になった外は、強風で波が荒れ案の定遠くには竜巻が迫っていた。
クラピカやハンゾーの言葉を無視して船に乗った試験者達が流されていく。
渦潮に飲まれていく様を見て、アレはもう助けることが出来ないなとAは悟った。

「アイツ...!」

荒れる海の上で、レオリオが1人でボートに乗る384番を見つけた。

221:救出→←219:鳥の声



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鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» し、した…!!!って感じですよね…!絶対無茶苦茶な会話してますよ…おわーーテスト頑張ってください;;テスト明けいっぱい楽しめるよう、沢山お話作っておくので…!いつも応援されている身なので、今回ばかりは私が応援を!頑張って!! (2021年5月28日 19時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - きゃーーーー(/ω\)キャー〜ついに、ついに、キッッッッッッッッスですか。確かに、早く旅団との絡みもみたい(*´-`)クロロと4人での会話なんて、めちゃくちゃテンション上がりますo(*≧∀≦)ノただ、テスト期間なのでこれからコメントするのが、少なくなりそうです(..) (2021年5月28日 16時) (レス) id: 6f62e33b14 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» そうなんですよね…!意外と真面目な戦闘シーンって無くて、今後もちょくちょく出てきます…!たまには2人とも動ける人なんだから、目一杯動いてもらいたくて! (2021年5月26日 23時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - ヤバイ、かっこいいぃぃぃぃ\(^-^)/ヒソカとの真面目な戦闘シーンって、今までなかったからすごく興奮しました(*´-`)『その時…』って何があったのぉぉぉ (2021年5月26日 19時) (レス) id: 6f62e33b14 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 絶対2人に「それは無理がある」って言われるけど、「は?」って言って黙らすんだろうなと書きながら思いましたね笑数話殺伐とした内容が始まりますが、殺人鬼と暗殺者の真骨頂だと思うのでお楽しみに…!!! (2021年5月24日 22時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年4月14日 1時

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