彼が消えて早5年。今私は...3【降谷零・安室透】

93.side安室 ページ15

パタパタと出てきた澪はそのまま俺の足に抱きついてにこにこと笑っている。透流はお腹減った！！と食べる気満々。郁流は困ったように眉を下げて控え室から出ないようにこちらの様子を伺っていた。









「...透流くん、澪ちゃん？ここは危ないから中に入っててね？？ハムサンドは持って行ってあげるから。」









咄嗟に作った笑顔に、威圧を隠しきれなかったのか、ピキっと固まった3つ子。やべ、と思い慌てて優しく言い直そうとしゃがみこめば、澪の口から驚きの言葉が零れた。









「...パパ？？」








その言葉に可愛い！！ていうか、安室さん！！？？と言っていた女子大生2人と控え室を飛び出した3つ子にあわあわしていた梓さんの発していた音が消え去り、しんと静まり返ってしまった。









「...澪ちゃん？パパがどうしたんですか？？」







固まった笑顔のままどうにかそう聞けば、うーん...？と首を傾げている。









そう言えば、澪ちゃんは前も一度俺のことをパパと言っていたような...なにか、俺を父親だと思う判断材料があるのだろうか。









「みお！！とおるはとうさんじゃないぞ！！こないだのかいぎでそうけっていしただろ！！しょうこふじゅうぶんって！！」









証拠不十分ってことは何かがあるのは確かか...っていうかそんな難しい言葉よく使ってるな！！？？？









流石っていうかなんていうか…









「...もー！澪ちゃんったら！！安室さんがお父さんなのかと思ってびっくりしちゃったじゃない！！」






固まっていた梓さんが動き出せば、女子大生達もよかった、違った。と話しながら動き出す。しかし、これ以上ここにいる気力が無くなったのか、梓さんに支払いを頼んでいた。









どうやら帰るらしい。

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