36.side昴 ページ38
「まま、ねてるねー!!おでこあんまりあつくないよ!!」
車に乗り込んだ澪は助手席で寝ているAさんを覗いて小さな手でAさんの額を触っている。
「起こさないようにそっとしておきましょうね。」
そう言ってから3人とも乗ったことを確認し、車を動かしていると、後ろで面白い会話が繰り広げられていた。
「あーくん、パパに似てたね!!」
「すっごい似てた!!でも、ちがっただろ?」
「...似てたの、顔だけ。」
「うん!!ちがかった!!」
「でもサンドウィッチ、おかあさんのとおんなじだった。」
「みそだろ?ぐうぜんかなぁ??」
「「「うーん...まあいっか!!!」」」
あーくん、とはおそらく安室透の事だろう。パパに似ているという事は、写真か動画かで見たことがあるということだ。しかし、何かの基準で違うと判断したということか...??ならばその基準はなんなのだろうか。
そして結局まあいっか。って...
可愛いなまったく。
「ぅん...?あ、れ??」
「あ、ままおきた!!へいき??」
Aさんが目を覚ました声に、3人で話すのをやめて澪が助手席へと目を向けた。
「あー、うん。大丈夫だよー?えっと、沖矢さん。すみません結局寝ちゃってたみたいで。」
完全に目を覚まし、現状を把握したらしいAさんは、こちらに向かって頭を下げたため、笑って「今朝も言いましたが、こういう時は甘えていいんですよ。」と返した。
「ねーね!!すーくん!!みお、きょうすーくんのおうちとまりたい!!」
...ほう?
前の座席の2人で話していると、何を思ったか澪が急にそんな発言をしたため、思わず俺とAが黙る。
「えーと、?澪さんや。いきなりどうしたのかな?」
「んー?だって、ままひとりのほうがおねつさがるでしょ?だからみおたちはすーくんのおうちにとまるの!!」
超名案!と言うようにふんっ!と鼻をならす澪に思わず笑いがこぼれた。
「あぁ、いい案ですね。澪ちゃん。パジャマは家に取りに戻ればいいですし。お泊まり、しましょうか。」
言いたいことは分かるが迷惑でしょ、という雰囲気を醸し出すAさんが言葉を発する前に澪ちゃんに返事をする。
「Aさんは、家でよく休んでください?せっかく3つ子が気を使ったんですから。」
そういえば、Aさんは「はい...」と力なく頷いたのだった。
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まみこ(プロフ) - 244万……!すごいヒット数ですね!とても素敵なお話、一気読みしちゃいました笑笑 (2022年12月21日 23時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - アオさん» 直しました!!ありがとうございます!! (2018年5月24日 21時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - セコムになる話。で昴さんが「すーにい」と呼ばれていましたが、3つ子は昴さんを「すーくん」と呼んでいませんでしたか? (2018年5月24日 18時) (レス) id: c480416726 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - アオさん» 直しました!いつもありがとうごさいます!!! (2018年5月23日 19時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - あと、「みつご」は、「三つ子」の方が良いと思います。 (2018年5月23日 19時) (レス) id: ecb7d31a94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空良 | 作成日時:2018年5月7日 17時