31.side安室 ページ33
コナンくんの口からでた、降谷零の名前。
それはどう考えても自分の本名で。3つ子は俺の子供だしその親は、Aであるということを確信させるには十分な言葉だった。
それを理解すると共に口からでたのは、
やっぱりか、という言葉と乾いた笑いだった。
「で?どうするの?降谷零さん??」
周りに人がいないのをいいことに、コナンくんは横に座って俺にそう問うてくる。普段ならその名前を口にするなと怒る所だが、今はそんなことをする気力もなく眉を下げて笑うことしかできなかった。
「どうするもなにも...そもそも別れた理由が危険だからってことだしな。子供が出来ていたことも、産んでくれていたことも...その後誰とも付き合っていなさそうなことも。全部嬉しいが今Aの前に現れる訳にはいかないだろ。」
こんな危険真っ只中にいるってのに...
丁寧な口調をやめ、降谷零としての気持ちをコナンくんに言えば、じゃあ...とコナンくんが続けた。
「まだ、Aさんのことは好きなんだね?」
そんなの。
.
.
.
「当たり前だろ。好きっていうか愛してるさ。」
.
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「...ぱぱ?」
.
突然聞こえた幼い声に驚き、振り向いた俺。
「!!???!?...澪ちゃん?どうしたんだい?」
慌てて口調を戻し、笑いかけるとあれ?と言うように首を傾げた。
「...う?ちがった!!なんでもない!!おなまえなんてゆーの??」
「安室透ですよ。」
名前を答えれば、じゃああーくんだね!と笑って去っていく。
「さっき、パパって言ってたね。」
その姿を見送れば横でニヤニヤしたコナンくんがこちらを見つめていた。
「...なんででしょうね?僕には聞こえませんでしたけど。」
それじゃあ、そろそろお昼のサンドウィッチを作ってきますね。と席を立つ。
「ほんとに、Aさんになにも言わないでいいのか、よく考えた方がいいと思うよ!」
最後にそう言ったコナンくんはそのまま子供たちの方へと戻っていった。
「全く、ほんとにコナンくんは...」
苦笑いをこぼしてから、よし。と気合を入れてキッチンでサンドウィッチ作りを開始した。
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まみこ(プロフ) - 244万……!すごいヒット数ですね!とても素敵なお話、一気読みしちゃいました笑笑 (2022年12月21日 23時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - アオさん» 直しました!!ありがとうございます!! (2018年5月24日 21時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - セコムになる話。で昴さんが「すーにい」と呼ばれていましたが、3つ子は昴さんを「すーくん」と呼んでいませんでしたか? (2018年5月24日 18時) (レス) id: c480416726 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - アオさん» 直しました!いつもありがとうごさいます!!! (2018年5月23日 19時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - あと、「みつご」は、「三つ子」の方が良いと思います。 (2018年5月23日 19時) (レス) id: ecb7d31a94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空良 | 作成日時:2018年5月7日 17時