彼が消えて早5年。今私は…【降谷零・安室透】

30.sideコナン ページ32

透流と郁流と楽しそうにおしゃべりしている元太たちから目を離すと、1人席に座って頭を抱えて考えている安室さんがいた。





お？これ、気付いたやつか？





そう思った俺は気づいたなら、からかうついでに教えてやろうと満面の笑みで近付く。






「やっほー！安室さん。頭抱えてどうしたのー？？」




そう言って近付けば、平静を装った安室さんはいつもの笑みを浮かべて返事を返してきた。





「いいや？それより、どうかしたの？コナンくん。」





「ううん！！でも、透流くんと自分が似すぎてびっくりしてるんじゃないかと思ってー！」





どうにかして安室さんの平静さを崩してやろうとわざといつも安室さんが俺をからかっている時のような口調を意識しつつ、子供っぽさを演出すれば、珍しく考えていることが顔に出た。





あ、これからかわれてるって気付いたパターンだ。





そうと分かればいっそうニッコリと笑って安室さんに追い討ちをかけてしまうことにする。






「でも、安室さんじゃないんでしょー？？だって、A姉ちゃん相手の人の名前は降谷零って言ってたよ？？」







安室さん、で・は・ないねー！！






この発言、実は深い意味がある。






俺は安室さんの本名が降谷零だと言うことを知っている為、暗に安室さんに3つ子はお前の子供だぜ？と言っているようなものなのだ。




これを聞いた安室さんは、






はは、やっぱりか…







そう呟いて困ったように笑っていた。

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