25.side安室 ページ27
「「安室さん!?!??」」
開店前の準備の一つであるポアロ前の掃き掃除をしようとドアを開けると、いきなり名前を叫ばれた。
「はい?僕ですか?どうかしました??」
どうしたのかと不思議に思いながらそう叫んだ2人に声をかければ、ばっと振り向きまた叫ばれる。
「「うっわっ!?!?...あ、安室さん。」」
だからなんだよ...そう思ったものの顔には出さず、笑って首を傾げる。
「一瞬安室さんが縮んだのかと思ったわよ...」
そんな園子さんの呟きに賛同する蘭さん。何のことかと考えていると、2人の前から子供特有の声が聞こえた。
「おれ、あむろじゃない!!とおるだよ!!ふるはたとおる!!!」
その言葉を聞いた俺は持っていた箒と塵取りを落とした。
「...ふる、はた...??」
声の主に目を向けると、そこには俺そっくりの小さな子供。
思わず固まる。
そんな俺を知ってか知らずか、園子さんが子供の脇を持って俺の横に顔が来るように並べた。
俺はそんな子供の顔を凝視していっそう動けなくなる。
「...って園子姉ちゃん!??」
これが俗に言う思考停止か。と変な方に向かう思考回路にコナンくんの声を聞いて無理やり終止符を打てば、目の前には持ち上げられて痛がっているとおるくんがいた。
園子さんがとおるくんから目をそらしたすきにさり気なく回収して抱え直すと、相当嫌だったのか、全く、というようにグリグリと俺の肩口に頭を擦りつけてきた。
それと同時に、今度は黒髪の男の子が俺のエプロンの裾を引っ張る。
...なんだろう。凄く可愛いんだが。
「とりあえず、皆さんポアロに入りませんか?ここでは邪魔ですし。」
本音が漏れないよう、金髪の女の子と手を繋いでいるコナンくんや園子さん、蘭さんにむけてそう言うと、片腕でとおるくんを抱えたままポアロの扉を開けてから、もう片方の手をエプロンの裾を握っていた手と繋ぎポアロへ入っていく。
あ、掃除用具。そう思って振り返ると、なんとコナンくんが拾ってくれていた。
流石だな。うん。
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まみこ(プロフ) - 244万……!すごいヒット数ですね!とても素敵なお話、一気読みしちゃいました笑笑 (2022年12月21日 23時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - アオさん» 直しました!!ありがとうございます!! (2018年5月24日 21時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - セコムになる話。で昴さんが「すーにい」と呼ばれていましたが、3つ子は昴さんを「すーくん」と呼んでいませんでしたか? (2018年5月24日 18時) (レス) id: c480416726 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - アオさん» 直しました!いつもありがとうごさいます!!! (2018年5月23日 19時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - あと、「みつご」は、「三つ子」の方が良いと思います。 (2018年5月23日 19時) (レス) id: ecb7d31a94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空良 | 作成日時:2018年5月7日 17時