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461:ギャルと秋黴雨 ページ11

拳を握りしめる。



俺は、俺は、俺は____ッ!!



ゆらりと佇む男が、再びAさんへと瞳の照準を合わせる。
Aさんは、浅く呼吸をしつつ、なんとか戦闘態勢を取った。


「_____Aさん」


呼んだ。

Aさんは、俺に目も向けず、先ほどと変わらない厳しい口調で「何度言っても、言葉は変わらないぞ」ときっぱり述べる。


分かってます。アンタのことは、嫌ってほど分かってます。
アンタが頑固なところも、人一倍誰も傷つけたくなくて全部背負ってしまうことも、誰よりも人間離れしていて誰よりも人間臭いところも。全部、全部、俺は分かってます。


それも全て分かってて、俺は今。


引き下がれないんです。


「Aさん、奴を止めるには生身では敵わない。それが分からないアンタじゃないですよね?」

「…」

Aさんは何も言わない。
それを見届けて、俺は自分の影の中に手を突っ込んだ。
ズルズルと闇の中から引き出したのは、闇の色さえもを凌駕する銀の光を帯びた呪具。

これには、Aさんも流石に驚いていた。

目を見開き、Aさんは驚いた顔のまま呟く。

「それ、は......まさか、『桐壺』...!」

どうしてそれを。
そういう顔をするAさん。どういう訳か、正体不明の男も『桐壺』の出現に動きを止めている。
よく分からないが、これはチャンスかもしれない。

「もしもの時の為に、武器庫から“失敬”してきました」

真希さんと準備のために武器庫に入り選別する際、「これも持っていきましょう」と俺が独断で持ち出したのだ。
真希さんは「恵、お前思い切ったことするな...Aに怒られんぞ」とドヤされたが、Aさんも昔は武器庫から呪具盗んでたって言ってたんで、その話出せば大丈夫です。と返したのを覚えている。

Aさんは、俺の言葉に鳩が豆鉄砲でも食らったような顔をして「なんて手癖の悪さだ...」と呟く。

「アンタに言われたくないですよ」

巨大な鉄扇の全てを出現させる。
なんて重い呪具だろう。
Aさんは、この『桐壺』は生きていて呪具を持つ人間を選び、重さや力の引き出し方を変えると言っていた。

五条先生曰く、『Aは“桐壺”を支配してる側の人間だ。“桐壺”を持つ者は、“桐壺”に支配されるか“桐壺”を支配するかにしか別れない』らしい。

「だが、ナイスだ恵」

Aさんは言うと、俺へと血だらけの手を差し出してきた。

「それがあればなんとかなる」

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プルメリア - ありがとうございます!頑張りますね! (2023年1月9日 7時) (レス) @page5 id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - プルメリアさん» 出来てますよ…!多分、宿儺のやつですかね…?まだ中身を確認していないので、あれですが投稿自体は出来てますよ…! (2023年1月8日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - えっと、あの、忙しかったらいいです!ただ、きちんと投稿できているかだけ...お願いします... (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 私、試しに投稿してみたんですが...きちんと投稿できているか心配でして。少し確認してくれませんか? (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 本当に嬉しいです! (2023年1月8日 14時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2022年11月27日 22時

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