【呪術廻戦】ギャルと呪術-1-

010：ギャルと術式 ページ10

「このザ・都会ギャルが！！？そんな凄い人なの！！？み、見えねぇ…」

「俺、虎杖悠仁っす」

「お前のその順応力の速さは本当なんなんだよ…あ、釘崎野薔薇です。東京でモデルしてます。」

「息をするように嘘つくな。」

深々と頭を下げる二人。ちゃっかりと嘘情報を吹き込む野薔薇に、伏黒が咄嗟に訂正をかける。
それでも、Aという人間はノリがいい人で、楽しそうに笑いながら「だと思った、可愛いもん」と返す。
その一言で、途端に落ちた野薔薇は「Aお姉様！！」と既に犬に成り下がっている。

「ふーん…悠仁に野薔薇ね。後でLINEとインスタ交換しよ〜！うんうん、今年の一年は三人か。どう？アレ、担任なんでしょ？どんな感じ？」

後ろ手に木製の椅子を引きずり、横から足を組んで座る。
真っ白で長い足。太ももが潰れる瞬間を、教室の隅でメソメソしていた五条だがそれだけは見逃さない。
ナイス太もも！と、親指を立てている最中、Aが五条を指差したかと思えば再びAの側まで”見えないナニカ”に引きずられ、やってくることになった五条。
今度は頬杖をつくAの肘おきにされてしまう。

あれ、僕ってこんなポジションでしたっけ。

頭を肘おきにされつつ、正座をし思いを馳せる五条。

Aがそこまで足を運ばずとも、好き放題五条を手元まで移動させる姿に、伏黒以外の二人はパチクリと瞬きする。
まるで、磁石。いや、この世の引力が狂ったか？

「えっと…Aさんのそれ…伏黒がやってるやつ＿＿＿、」

「術式な」

「そうそれ！その、術式…みたいなもん？」

悠仁が尋ねる。
Aは、その悠仁の言葉に「君まだこの界隈初心者か。入学した時の私思い出すわ〜」と零す。

「みたいって言うか、まぁそうね、術式。私さぁ、生まれつき”なんでも引き寄せちゃう”んだよね」

カラッと笑いながら、Aは言った。
今し方知り合ったばかりの野薔薇と悠仁は、言葉の意味が分からず首を傾げる。
見兼ねた五条が、補足するよう口を開いた。

「Aはさ、人も運も呪霊も、生まれつきぜーんぶ引き寄せちゃうんだ。勿論、無意識にね。勝手に人の視線集めてたり、競馬で何気なく買った馬券が連続で大当たりしたり、ただの廃墟だったはずが引き寄せて数分後には呪霊だらけのスポットに変えちゃったり。」

要は、と五条が人差し指を立てる。


「究極引き寄せ体質って事！」


良いものも、悪いものも、彼女は全てを引き寄せる。
それが、Aの体質。

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