041: ギャルと投手交代 ページ41
____。
「伊地知ッ!」
黒いセダンに横付けでバイクを停める。
無機質な音声が、『ルート案内を終了しました』と告げた。
現在地のマークは、西東京市の英集少年院を指している。
「Aさん…ッ、本当にあの、」
「大丈夫大丈夫!殆どの呪術師出払ってんでしょ?」
「上層部の会議は良かったんですか…?」
呼び出して置いてなんだが、伊地知は聞いてしまう。するとAは、悪い笑みを浮かべながら「フケる理由出来たからよし」と返した。
ふと、後部座席に視線が向く。
「野薔薇…」
彼女の有様に、こりゃヤバいねと呟くA。
「私は今から釘崎さんを病院に届けるところでして、中に伏黒くんと虎杖くんが居ます」
「ふーむふむ…。特級?」
「伏黒くんの言葉だと。」
伊地知の言葉を聞きながら、Aは煙草を1本取りだし口に咥える。
ライターを探すがすぐに手を止め、そういえば雨だったわと思い直す。後で吸お〜なんて、思いAは咥えたまま施設を見る。
「…でもさ、帳上がってるって事は、」
その時だった。
Aの視界の中で、上空に跳ね上がる2体の影。
1体は『鵺』…含む、伏黒。
そして、その背後に迫り彼を地面へと吹っ飛ばすのは、悠仁。
いや。
悠仁であって、悠仁ではない。
「恵助けてくるわ。」
短く告げたAは、バイクでそのまま施設内へ侵入した。
伏黒恵は限界だった。
目の前の友人は、今や別人格の脅威へと変貌を遂げている。
悠仁___いや、宿儺は悠仁を人質にとった。
あのぽっかりと空いた胸元の穴。あそこに心臓を戻したら、虎杖は戻ってくるのか?そう考えるが、心臓がない人間は反転術式でどうこうなる問題ではない。
『鵺』ももう限界だ。
伏黒が術式を解くと、傍に居た『鵺』は影の中に戻っていく。
「お前の術式は影を媒体にしているのか。」
バレたところで。
宿儺は顎を摩ると、妙な事を口走った。
「分からんなァ。お前“あの時”何故逃げた…?……宝の持ち腐れだな。」
伏黒は宿儺の言葉に眉を潜めた。その時。
激しいエンジン音が場に轟いたかと思えば、エンジン音の主は伏黒の目の前に立ちはだかる。
伏黒は、その主を前に目を丸くした。
金の髪を靡かせ、見た目に合わないバイクに跨り、その人はひらりと片手をあげる。
「ピッチャー伏黒に代わりまして、A選手の入場でーす!」
にっとAは歯を見せた
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鼻毛太郎(プロフ) - 麗華さん» コメントありがとうございます!🙌うん億年前に書いたイラスト、そういえばあったなとコメントで思い出しました笑刺さったようでとても嬉しいです🥺まだまだ長く続くシリーズ、ぜひお楽しみ頂けたら幸いです! (8月17日 12時) (レス) @page49 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - 夢主ちゃんの過去編からみてイラストを見ましたがめちゃどタイプです………これからも応援してます〜! (8月17日 9時) (レス) @page49 id: bc106b5b68 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます…!凄く有難いお言葉頂けて感激です😭😭長く続くシリーズ作品ではありますが、ぜひ今後もお付き合い頂けると嬉しいです…!!🌸🌸 (2022年1月2日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 話の構成がしっかりしててそれぞれの物語があってこんなに面白くて読みやすくて引き込まれる作品は初めてです…!!素敵な作品をありがとうございます最高です!体調にはどうかお気をつけて!! (2022年1月2日 0時) (レス) @page49 id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - yuuna1202さん» ありがとうございますーー!!;;今後もギャル先輩と後輩悟くんの二人を是非見届けてあげてください…! (2020年12月9日 20時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年11月18日 23時