040：ギャルと残された言葉 ページ40
ぽつりぽつりと呟く女中に、Aは｢あー…｣と声を漏らした。
｢私さ、母さんが死んだ時そんなに悲しくなかったんだよね。なんか、家にあんま帰ってこない人だったし、母親っていうか…お父さんみたいな人だったし。｣
Aは長い爪で頭を掻く。
｢あの人の事だから、悔いのない死に方してると思うよ。暗い顔される方が、あの人多分嫌いだし。｣
Aはカラリとした表情で笑う。
｢よく分かんない母親だったけど、これだけはすげぇ覚えてんだよね。『死ぬ時も自由でいろ』って、仕切りに言ってたし。だから、死ぬ時も自分で死に方を選んだ結果だと思うよ？｣
五条はAの言葉を聞きながら、熱い茶を啜る。
｢ま、獄門疆持ってる奴見つけたら、とりあえず一発殴んのは決めてるけどね｣
片目を瞑り、Aは言ってみせる。
この人のこういう思想が好きだ。
腐った呪術界で、自由に生き抜くAが。
五条は少しだけ笑う。
最中、空気を割る電子音。
｢……うわ、｣
五条は自身の携帯を見ながら顔を顰める。
｢上からだわ…｣
Aに画面を見せると、五条は携帯片手に外へ出ていった。
｢あ、そうだ！｣
五条が襖を後ろ手に閉めた時、女中が声をあげた。
そして、Aに｢これを｣と手渡したのは真っ白なシャツ。
｢屋敷内を探したら、偶然見つかりましたので｣
にこ、と笑う女中に、Aはシャツを広げる。
皺の折れ目が真新しい。
Aは猫のように目を細めた。
｢ありがと、…って、お宅の坊ちゃんに伝えといて｣
くく、と笑うA。
女中はAの言葉に思わず笑ってしまう。
あぁ、なるほど。
通りで若様が苦戦してるわけだ。
＿＿＿＿。
暫くAと女中で世間話を重ねていると、五条が如何にも不機嫌そうに戻ってきた。
｢任務。｣
｢人気もんじゃん｣
笑いながら言うAに、五条は｢冗談じゃねー｣と嫌そうに返した。
｢て、わけだからさ。先輩ごめんね、僕行くわ。｣
｢いいのいいの、私も会議あるし｣
携帯で時間を確認しながらAが言う。
｢僕が2人ぐらいいればいいんだけどね。｣
Aは立ちながら、｢悟が2人も居たら夜蛾ちゃん死ぬんじゃね？｣ととんだブラックジョークをかます。
その言葉に、五条は｢それは大変だ｣と笑った。
その後、Aは五条を後にする。
数分後、彼女の電話が音を告げた。
｢Aさん、助けて欲しいんです｣
伊地知の声に、Aは無条件に答える。
｢任せろ。｣
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鼻毛太郎(プロフ) - 麗華さん» コメントありがとうございます！🙌うん億年前に書いたイラスト、そういえばあったなとコメントで思い出しました笑刺さったようでとても嬉しいです🥺まだまだ長く続くシリーズ、ぜひお楽しみ頂けたら幸いです！ (8月17日 12時) (
レス) @page49 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - 夢主ちゃんの過去編からみてイラストを見ましたがめちゃどタイプです………これからも応援してます〜！ (8月17日 9時) (レス) @page49 id: bc106b5b68 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます…！凄く有難いお言葉頂けて感激です😭😭長く続くシリーズ作品ではありますが、ぜひ今後もお付き合い頂けると嬉しいです…！！🌸🌸 (2022年1月2日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 話の構成がしっかりしててそれぞれの物語があってこんなに面白くて読みやすくて引き込まれる作品は初めてです…！！素敵な作品をありがとうございます最高です！体調にはどうかお気をつけて！！ (2022年1月2日 0時) (レス) @page49 id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - yuuna1202さん» ありがとうございますーー！！；；今後もギャル先輩と後輩悟くんの二人を是非見届けてあげてください…！ (2020年12月9日 20時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年11月18日 23時
