033:ギャルと強者の遊戯 ページ33
「君、知能は?」
尋ねたくせに、返答も効かず蹴り上げる。
下半身の呪霊は、有無を言わさずくの字に折れ曲がった。
しかし、行動が止まるのも束の間、すぐに体勢を立て直しAへと向かっていく。
「ほう…、会話はダメだが認識能力はあるのか。おまけに…すぐに私を潰さないと、殺られるという認識も持ち合わせている。」
呪霊はAの打撃を避け、襲いくる。
だが、Aには関係のない話。
ぐんッ、と呪霊の体が意思とはそぐわぬ方向に動いたかと思えば、自分からAの拳に当たりにいくではないか。
美しい肢体と、煌びやかな顔から繰り出される拳は、予想外なほどの強烈な力を浴びせる。
壁を打ち壊し吹っ飛ぶ呪霊。
Aはダンスのステップでも踏むかのように軽い足取りで、地を蹴ると呪霊まで一気に距離を詰める。
瞳には、ギラついた光が宿る。
「僕はさぁ、最強ではあるんだけど近接ゴリ押しは怖いなと思ってんだよね。」
上半身の呪霊を横目に、五条はAの戦闘を眺める。
「特に、先輩はね。先輩と本気で闘ったら、すっごい疲れるだろうなぁ」
楽しそうではあるけど、零しながら五条はモロに呪霊の拳を受ける。
しかし、五条の体に拳は届かない。
理解できない状況に、呪霊はあからさまに狼狽えた。
同時、五条は呪霊の拳を片手で引き寄せる。
「話してる途中だろ。最後まで大人しく聞いとけよ。」
呪術の顔面向け掌を翳した途端、空気砲を喰らったかの様に破裂する呪霊。
顔面を粉々に吹き飛ばされた呪霊は倒れ、床の上でじたばたと手足を動かす。
「あの見た目で、基本スタイルは近接パワー型だよ?怖すぎない?術式も厄介だし。」
五条は倒れた呪霊に腰を降ろす。
遠くでは、爆音と土埃が上がっていた。Aの仕業だろう。
「僕が唯一先輩に勝てないとこはね、判断力。あの人はさ、迷わないんだよ。自分の体が動くままに本能に従う。……生かすも殺すも、先輩の気分次第ってとこが怖いけどね。」
五条の下で、呪霊がなんとか起き上がろうとしたその時。
「だから、大人しく聞いとけって言ったろ。」
低く言い聞かせるような声音。同時、五条が長い足を振り上げ呪霊踏み潰すと、残った体は跡形もなく破裂した。
「終わりー!っと……」
五条は目元の布を押し上げ、土埃の奥を見つめる。
そして、Aの姿を視界に捉えると、「あらら…」と声を漏らした。
「先輩、キレてるわ」
「テメェ、私の服破いたってことは覚悟できてんだな…?あ?」
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鼻毛太郎(プロフ) - 麗華さん» コメントありがとうございます!🙌うん億年前に書いたイラスト、そういえばあったなとコメントで思い出しました笑刺さったようでとても嬉しいです🥺まだまだ長く続くシリーズ、ぜひお楽しみ頂けたら幸いです! (8月17日 12時) (レス) @page49 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - 夢主ちゃんの過去編からみてイラストを見ましたがめちゃどタイプです………これからも応援してます〜! (8月17日 9時) (レス) @page49 id: bc106b5b68 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます…!凄く有難いお言葉頂けて感激です😭😭長く続くシリーズ作品ではありますが、ぜひ今後もお付き合い頂けると嬉しいです…!!🌸🌸 (2022年1月2日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 話の構成がしっかりしててそれぞれの物語があってこんなに面白くて読みやすくて引き込まれる作品は初めてです…!!素敵な作品をありがとうございます最高です!体調にはどうかお気をつけて!! (2022年1月2日 0時) (レス) @page49 id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - yuuna1202さん» ありがとうございますーー!!;;今後もギャル先輩と後輩悟くんの二人を是非見届けてあげてください…! (2020年12月9日 20時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年11月18日 23時