022:ギャルと表裏 ページ22
「じゃあ、Aさんが呪霊研究してるのって…自分の呪いを解く為ってこと?」
プルタブを引いた野薔薇が、伏黒に尋ねた。
Aの初回授業はその後サラッと終わり、「引越し作業しなきゃだから帰るわ!」と帰っていった。
授業後、三人は学内の自販機前で話す。
「…さぁ、どうだろうな。もっと別の理由があるっぽいけど。」
「別?」
野薔薇が問うと、伏黒は短く「深くは知らん。」と返した。
伏黒が飲料水を含む。喉に冷たい液が流れた。
ふと、野薔薇と同じように缶ジュースを飲んでいた悠仁が尋ねる。
「土地神ってそんなにヤバいの?」
「色んな種類が存在する。4級程度で済むやつもいれば、ごく稀に特級レベルも居る。…Aさんのは、まだ誰も解明できてないんだよ。」
伏黒は言いながら、適当なベンチに腰を下ろした。
「存在しない駅の話のはずが、実は本当に存在していてその駅を出れば土地があった。」
「さっき調べたけど、確かに存在しなかった。」と、野薔薇が付け足す。
「そんな所に土地の神が存在してたなんて、意味わかんねーだろ。土地神は、信仰する人間が居て成立する。けど、そこに住民が居たなんて話はない。…つーか、どう聞いても架空都市だし。…事実上は土地神にしてるが、良く分からんのが実際の所だ。」
建前上ってやつだ、と伏黒は述べる。
「上層部も、怖がってんだよ。未指定の階級だからな。そりゃ脅威だろ。正体不明の呪霊…いや、土地神。だから、Aさんも今じゃ未階級ってことになってんだ。」
伏黒曰く、Aが莫大な呪力を使えば使うほど、負のエネルギーが高まりAの体を蝕んでいくんだと語った。そして、体全てに紋様が広がった時、Aの体は土地神のものとなる。
『私からは奪っていいけど、私以外から奪うな。』
過去にAは土地神にそういう縛りを与えたのだと聞いたことがある。
だから、土地神はAの体を蝕み終わるまで他者に危害は加えないのだとか。
「歳をあまりとってないのも、多分それだ。」
「その土地神はAさんから身体的時間を奪った……ってこと?」
野薔薇に伏黒は頷く。
「俺みたいに処刑の話は出たの?」
「出た。けど、試みた奴は喉を掻き切られ殺されたって話だ。そういうことがあったから縛りを設けたらしい。」
ふと、悠仁が尋ねた。
「A、最後はどうなんの?」
伏黒は言う。
「誰も、想像できない。……
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鼻毛太郎(プロフ) - 麗華さん» コメントありがとうございます!🙌うん億年前に書いたイラスト、そういえばあったなとコメントで思い出しました笑刺さったようでとても嬉しいです🥺まだまだ長く続くシリーズ、ぜひお楽しみ頂けたら幸いです! (8月17日 12時) (レス) @page49 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - 夢主ちゃんの過去編からみてイラストを見ましたがめちゃどタイプです………これからも応援してます〜! (8月17日 9時) (レス) @page49 id: bc106b5b68 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます…!凄く有難いお言葉頂けて感激です😭😭長く続くシリーズ作品ではありますが、ぜひ今後もお付き合い頂けると嬉しいです…!!🌸🌸 (2022年1月2日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 話の構成がしっかりしててそれぞれの物語があってこんなに面白くて読みやすくて引き込まれる作品は初めてです…!!素敵な作品をありがとうございます最高です!体調にはどうかお気をつけて!! (2022年1月2日 0時) (レス) @page49 id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - yuuna1202さん» ありがとうございますーー!!;;今後もギャル先輩と後輩悟くんの二人を是非見届けてあげてください…! (2020年12月9日 20時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年11月18日 23時