027:疑心暗鬼 ページ27
「任務…ですか?…Aさんに?」
「いや本当に、それな?」
驚く尾道に、便乗するA。
相変わらず猫のように掴み上げられ、Aは地に足つかぬまま夜蛾を見上げる。
「夜蛾、もしかして新ネタ?ジョーク言えるようになったみたいな?あ!私のツッコミレベル試してる!?ウケる〜、相性良いと勘違いしてコンビ結成しようみたいなこと言い始めんなよ?私、お前と組むとか超無理だから」
はいざんね〜ん、と憎たらしく言ってやると漸く夜蛾が口を開いてくれた。
「…一人でコントでもしているのか?」
「してねーよ、私が恥ずかしい奴みたいだろ!!?」
マジうざい、本当オッサンってどいつにしろ無理だわ。
Aは夜蛾の手を振り払い、地に足をつける。
「言っておくけど、私おちょくられんの嫌いだからな。今言ったこと全部嘘ですって言うなら今だかんな」
夜蛾に向かって、カツアゲの如く詰め寄り言うと、夜蛾は顔色一つ変えず言った。
「いつ俺がお前に嘘をついた事がある?」
「…え」
いや、確かにない。
夜蛾は憎たらしいほど、自分に包み隠さず嫌味を言ってくる。
確かに、嘘をついたことはない。
でも、それって…
「…私が、今話してた任務に行くってこと…マジ?いやいや待ってよ、それヤバい任務なんじゃ無いの!?」
さっきまで聞き耳を立て、秘密で向かってやろうとしてた奴が何を言っているんだと思ったが、あらためて『行け』と言われると話は別だ。
「何故、お前が今の話を知っている?」
「あっ…いや、それは…知りません、何も。はい。聞いてません、記憶から消します、消しました。」
やっば、ボロ出るとこだった。
聞き耳立ててましたぁ〜、なんて言えば夜蛾からどんな鉄槌が下るか分かったもんじゃ無い。
夜蛾はAを一瞬不審な目でみたが、興味を失ったのか尾道に視線を向けた。
「低級呪霊を祓う程度の任務を与えてやってくれ」
夜蛾の言葉に、Aの目が丸くなる。
今、夜蛾の野郎なんて言った…?
「実践もなしに一年を終えるのも、今後問題だ。来年の一年が入学した場合、先輩となるコイツに不信感を抱く事にも繋がる」
確かに。
先輩、一年間何してたんすか?なんて半笑いで言われても困る。
どんな奴か知らないけど、例の『五条家』の後輩に「超ウケますね」なんて言われれば自分が何をしでかすか分かったもんじゃない。
「ただ、術式が無くとも最悪近接で倒せる程度だ。まだコイツ一人で術式を使わせるわけにも行かない」
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鼻毛太郎(プロフ) - ぱぴこさん» コメントありがとうございます🙌🤍強くてかっこいいクズが好きなのでこの結果なのですが、気に入っていただけたならばとても嬉しいです…!是非、引き続き楽しんで頂けたら幸いです^^ (1月21日 2時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ - パパ黒かっこよすぎ (1月21日 0時) (レス) @page34 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 黒さん» コメントありがとうございます!🙌裏側ではいつかに向け百鬼夜行をちまちま書き溜めておりますので、いつか皆さんにお披露目できる日を楽しみにしております😌それまで暫しお待ちを…! (2022年2月16日 21時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
黒 - ギャル夢めっちゃ好きです!!🥺鼻毛太郎さんがかく百鬼夜行楽しみです😚 (2022年2月16日 17時) (レス) id: ab6a15c201 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あーさん» 頭いいなんて言われてだいぶニマニマしてます😎とはいいつつ、本人は過去に適当に張った伏線のおかげで矛盾だったり色々苦しめられているんですけどね!!笑皆さんが読んでくれれば私は嬉しいんです🥺素敵なコメントありがとうございました!🌸 (2022年1月31日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年12月27日 22時