026:青天霹靂 ページ26
オッサンは自分で言った通り、呪術師ではない。
呪術に一体何処まで詳しいのかも知らない。
…待てよ。今更だけど、オッサンの仕事ってじゃあ何?
扉を背に、「むむむ」と考え込むA。
「とにかく、彼の残穢が見つかったことで上層部が騒ぎ始めています」
「だろうな…。元々、”アイツ”の処分自体上層部は渋々受け入れたんだ」
「そこで、夜蛾さんに調査へ迎えと…大丈夫でしょうか?」
「俺が行かないと気が済まないのだろう、上は。……それによって、”アイツ”の処分に上が本格的に乗り出すだろうな」
夜蛾が長い息を吐いた。
聞き耳を立てるA。
夜蛾はどうやら、”例の青年”を知っている様子だった。
難しい話は苦手だ。
元来、Aは話を聞くぐらいなら拳で語って真実を切り開けという、生粋の少年漫画体質。
「…話が一ミリも分かんねーんですけど」
Aが小さく呟く。
「それで、これが此方で纏めた調査報告書です。えっと、任務地は___」
「尾道、少し待て」
任務地を述べようとした尾道。
聞き耳を立てていたAは、『これだ…!!』と耳を大きくした。
矢先。
尾道の言葉を遮った夜蛾が反転し、こちらにずんずんと向かってくる。
あれ…?
え…?
いや、私の方見てね?
あれ??
「あ、あれれ…?」
扉の隙間、その小さな隙間から此方をじっと見る夜蛾の瞳。
Aは冷や汗を流しながら、いや私何もしてないですと誤魔化しの笑みを浮かべる。
しかし、悲しいかな。夜蛾は全く笑ってくれない。
いや、こいつが私に釣られて笑うのも気色悪すぎるが、それでも何故一層顔の影が増しているのか。
「お、怒ってるのかにゃ?」
精一杯戯けてみせる。
「いいや。」
絶対怒ってんじゃん!!?
早々に心が折れ、もっと別の方法で任務内容聞き出そうと諦めかけたその時、夜蛾が扉を全開にしたかと思えばAの首根っこを猫のように掴んだ。
そして、尾道の元へ戻っていく。
え、何、なんですか?
え、処刑されたりとかする私。
ひぇ死にたくない、来週出るスタバの新作飲みたいからせめてそれまで待って!!
らしくなく、夜蛾に首根っこを掴み上げられたまま拝んでいると、夜蛾が口を開いた。
「尾道、こいつに任務を与えてくれ」
…はにゃ?
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鼻毛太郎(プロフ) - ぱぴこさん» コメントありがとうございます🙌🤍強くてかっこいいクズが好きなのでこの結果なのですが、気に入っていただけたならばとても嬉しいです…!是非、引き続き楽しんで頂けたら幸いです^^ (1月21日 2時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ - パパ黒かっこよすぎ (1月21日 0時) (レス) @page34 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 黒さん» コメントありがとうございます!🙌裏側ではいつかに向け百鬼夜行をちまちま書き溜めておりますので、いつか皆さんにお披露目できる日を楽しみにしております😌それまで暫しお待ちを…! (2022年2月16日 21時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
黒 - ギャル夢めっちゃ好きです!!🥺鼻毛太郎さんがかく百鬼夜行楽しみです😚 (2022年2月16日 17時) (レス) id: ab6a15c201 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あーさん» 頭いいなんて言われてだいぶニマニマしてます😎とはいいつつ、本人は過去に適当に張った伏線のおかげで矛盾だったり色々苦しめられているんですけどね!!笑皆さんが読んでくれれば私は嬉しいんです🥺素敵なコメントありがとうございました!🌸 (2022年1月31日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年12月27日 22時