009： 華麗なる一族 ページ10
いや、変な事しようとはしてたんだよ、しようとは♤
ケラケラと笑う彼女を尻目に、内心居づらい気持ちになる。
「え？うっそ、迎えに来てくれるの〜！？おねーちゃん、感激して涙出ちゃうなぁ〜弟が出来過ぎてて誇らしいよぉ…うん、うん、とりあえずお店で待ってるねぇ〜！それではぁ、健闘を祈るぞ！頑張って探してくれ給えよ”イルミ君”！！」
………♧
…イルミ君？
「んん！！？」
携帯を切り、グラスの底に残る酒をぐいっと飲み干す彼女。
その彼女を思わず二度見する。
ここまで綺麗な二度見があっただろうか。
あまりにも綺麗な二度見に拍手が起こったって、今のボクなら当然と思うだろう。
そのくらい綺麗な二度見。
”イルミ君”
聞き覚えがあるなんて話ではない。
何せ、その名前を持つ青年とボクは今日の昼ごろ会っているのだから。
件の人物。
ここ、パドキア共和国デントラ地区に位置する山『ククルーマウンテン』。
その山頂に家を置く暗殺一家。
『ゾルディック家』の長男『イルミ＝ゾルディック』その人の名前である。
イルミなんて名前、この世で二人も三人もいる訳ない…よね……？
そういえば＿＿と、ボクは昼ごろ彼とした会話を思い出す。
「ねーさんが今日俺に秘密で出て行ったんだけどさ、アレ絶対男だと思うんだよね。ねーさんってば、男運最悪だからなぁ…」
「え、君お姉さんなんているの…？」
「え、聞こえてたの？独り言のつもりだったんだけど」
「…その口調で独り言は無理あると思うよ、イルミ♢」
なんて会話をした。
どうでもいい事はすぐ忘れる質だが、割と重要な事なので覚えている。
…まさか
いや、まさか
今一度彼女に目を向けじっと見ると、視線に気づいた彼女が首を傾げてみせた。
…そうだ、ボクとしたことが
誰かに似てると思えば、ゾルディック家の父親『シルバ』だ。
銀の髪に、切れ長で青い瞳。
眉が細く、小さめな口がイルミにそっくりだ。
ふと、彼女が素を見せた時の顔も、よく考えればイルミの何を考えているのか読めない顔に似ている。
ゴクリ、と生唾を呑み恐る恐る尋ねる。
「イルミ君って……まさか、イルミ……ゾルディック…？」
すると、彼女はグラスを口から離し「あら、」と嬉しそうな顔を見せた。
「お兄さん、弟のお友達だったの？」
ボクはその言葉に、「引きが良すぎるだろ♧」と盛大に頭を抱えた。
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鼻毛太郎(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます！🙌これから読み始めるという段階でしょうか、長いシリーズですので暫くの暇潰しになって頂ければ幸いです😌ちなみに私は書いておきながら、覚えておりません！笑 そんな作者ですが、是非お付き合い頂けるとありがたいです！ (2月19日 23時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 私のところはかあさんのお腹の中から来るのよって言われました。生々しい、、、 (2月19日 23時) (レス) id: 53f4f6e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 赤ちゃん、、私は親に聞いたら「ん？掃除機からぽんっ！！ってうまれたよ」って言われました。(うちの親おたまがおかしi(( (2020年12月1日 17時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ゆゆさん» よくお分かりで…！いつか気づく方が出てくるだろうなと心待ちにしていたのですが、ついに…思わず｢きた…！｣と言ってしまいました。お分かりの通りとても、、、好きです、、、 (2020年10月10日 23時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 主さんさてはジョジョ好きですね？ (2020年10月10日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年5月24日 15時
