008: 悪魔な長男 ページ9
ここにきて、ボク達はやっと互いの名前を名乗りあった。
彼女は『A』というらしい。
彼女はボクを『ヒソカさん』と呼び、ボクも流れ的に彼女を『Aさん』と呼んでいた。
柄ではないんだけどね♢
暫く好きに愚痴を吐いていき、「あれ、静かになったな♤」と思った頃には机に突っ伏して眠たそうにしていた。
「ほら、寝る前に帰るよ♧じゃなきゃ、ボク君を本当に襲うことになるから♤」
「ううん、眠たくないよぉ、ぜぇんぜん眠たくない…まだ飲めう、いけうもん…」
とかなんとか言っているが、呂律がほとんど回っていない。
「ていうか、なぁんでヒソカしゃん、酔ってないの…?」ととろんとした目を向け言ってきたので、「そりゃあボク、Aさんほど飲んではないし相当強いからね♢」と返すと面白くなさそうに口を尖らせていた。
さて、そろそろお開きに___
そこで、ボク達の間に電子音が割り込む。
電話?と思い、確認するがボクではない。
とすれば、と寝かける彼女の肩を揺する。
「Aさん、電話来てるよ♧」
「…ん……私か…」
気怠そうに顔を上げ、足下の鞄から携帯を取り出そうとする。
高いスツールから腰だけを曲げ携帯を取り出す姿は、酔いが回っているおかげで少々危なっかしい。
「いいよ、携帯ぐらいとってあげるから♤」
代わりにとってやると、携帯のディスプレイが視界に入った。
『長男』のふた文字。
兄弟が居るのか…♢
へぇ、と思いながら手渡すと細い指で操作し、「はぁーい、もしもーし」と呂律の回らない口調で携帯に出る。
「なぁんだ、”イル”かぁ〜!へ、何?酔ってるのって〜?そりゃもう、んふふ、だぁぁもう怒らないでよぉ〜、で、おねぇちゃんに何か用かなぁ?」
”イル”…はて、何処かで聞いたことがある文字並びだな♢
「心配して電話〜?ひぇ〜姉思いの優しい子に育ったねぇ、君〜!!へ?今?デントラ地区のぉ…____」
そこまで言うと、ボクの方へ顔を向け「ここ、店名なんでしたっけ」と聞いた。
ボクは若干底に残る酒を煽り、「エル・ディアブロ…だったかな」と返す。
『悪魔』の名を持ち、カクテルの色は『悪魔』の血液を思わせる毒々しい赤をしている。
しかし、口に入れれば思ったよりも飲み口は爽やかで酸味の効いたカクテルが『エル・ディアブロ』。
「エル・ディアブロだってぇ〜、へ?今の声?いや誰って、今日知り合ったのよ〜!変な事?心配性ねぇ、何もされてないわよ〜!かわいいなぁ、我が弟〜」
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鼻毛太郎(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます!🙌これから読み始めるという段階でしょうか、長いシリーズですので暫くの暇潰しになって頂ければ幸いです😌ちなみに私は書いておきながら、覚えておりません!笑 そんな作者ですが、是非お付き合い頂けるとありがたいです! (2月19日 23時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 私のところはかあさんのお腹の中から来るのよって言われました。生々しい、、、 (2月19日 23時) (レス) id: 53f4f6e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 赤ちゃん、、私は親に聞いたら「ん?掃除機からぽんっ!!ってうまれたよ」って言われました。(うちの親おたまがおかしi(( (2020年12月1日 17時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ゆゆさん» よくお分かりで…!いつか気づく方が出てくるだろうなと心待ちにしていたのですが、ついに…思わず「きた…!」と言ってしまいました。お分かりの通りとても、、、好きです、、、 (2020年10月10日 23時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 主さんさてはジョジョ好きですね? (2020年10月10日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年5月24日 15時