044： はいこれティッシュね ページ45
おらァ！と手を振り払う。
クッションから少しだけ顔を上げて、キッと睨みを利かすも、ヒソカからしてみればそれさえも照れ隠しの一つに見えてしまう。
思わず緩んだ表情のまま、「はぁ〜い、ごめんなさ〜い♡」と謝ると「デレデレすんなぁ！！」と言葉が飛んでくる。
「なんなの、本当…、ムカつく…ヒソカ君ムカつくッ！！」
「そんな可愛い顔で言われてもねぇ」
「黙ってなさい！！」
恥ずかしさで目を潤ませるAが、一生懸命抵抗する姿。
加虐心が一層湧き上がってくるが、これではAが本当に泣いてしまうかもしれないと思い、今日ばかりはやめておくことにするヒソカ。
クッションに顔を埋め、唸り声を漏らしながらAがポツリと言葉を零した。
「人の弱い所見つけては、そこに上手く入り込んでさ…そうやってつつく所、本当にムカつく…」
あー…確かに♢
そんな性格だったなボクはと悟る。
「ヒソカ君のそういう所、大嫌いなのに＿＿＿＿」
少しだけAが顔をあげた。
「いつも救われた気分になる……貴方が友達で良かったなって、いつも思うの…」
「〜〜ッ♡♡」
バシリッと苦しそうに胸を掴むと、悶えるようくの字に折れ曲がっていくヒソカ。
うわぁ…と無意識に顔を上げ、無の表情を見せてしまうA。そんなつもりではなかったんだけどな。
明らかにこれは、押してはいけないスイッチをぶち抜いた。
「あァ〜♡君は、本当ッ、天才かい！？どれだけボクを惑わせれば気が済むんだ…はぁ…ボクってやっぱり君に愛されてるんだなぁ…♡」
「惑わせてない、愛してない、その顔で言うのやめて。」
整った顔が一瞬にして崩れている。
高揚感に満たされ、ゾクゾクとした感覚を全身で味わう表情にAは冷たい視線を浴びせた。
が、ヒソカの脳内では勝手に事が進んでいるようで、Aの声は耳に届いていないようである。
…これは暫く触らない方がいいな。
今にも白目を剥いてしまいそうな目をなんとか開き、Aは「お手洗い行ってくるわね。」と席を立つ。
「ご自由にどうぞ、はいこれティッシュね。」
はぁ…なんで私この人の事、一ミリでも褒めたのかしら。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 847人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鼻毛太郎(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます！🙌これから読み始めるという段階でしょうか、長いシリーズですので暫くの暇潰しになって頂ければ幸いです😌ちなみに私は書いておきながら、覚えておりません！笑 そんな作者ですが、是非お付き合い頂けるとありがたいです！ (2月19日 23時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 私のところはかあさんのお腹の中から来るのよって言われました。生々しい、、、 (2月19日 23時) (レス) id: 53f4f6e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 赤ちゃん、、私は親に聞いたら「ん？掃除機からぽんっ！！ってうまれたよ」って言われました。(うちの親おたまがおかしi(( (2020年12月1日 17時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ゆゆさん» よくお分かりで…！いつか気づく方が出てくるだろうなと心待ちにしていたのですが、ついに…思わず｢きた…！｣と言ってしまいました。お分かりの通りとても、、、好きです、、、 (2020年10月10日 23時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 主さんさてはジョジョ好きですね？ (2020年10月10日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年5月24日 15時
