043： 本当にいい子だねぇ ページ44
やっぱり、こんな頼み事を友達にするなんて……自分の落とし前は自分でなんとかつけるべきだ。
それがプロの暗殺者として、任務を失敗した者の最低限の流儀だ。
「…ヒソカ君、悪いけどやっぱり今のは忘れて。貴方が強いのも、優しいのも分かってる。けど、だからこそ私、貴方が素敵な友達だから迷惑かけたくないのよ…ッ、自分勝手な事言って私、」
ヒソカに詰め寄ろうとした、その時。
ぽん、と頭の上に手が載ったかと思えば、今度は宥めるよう優しく撫でられた。
「くく、」とヒソカが笑う。
「いい子、いい子♤」
「な…っ」
驚き、そのまま固まるA。
滑稽宜しく口をぽかりと開け、されるがままに撫でられる。
目の前に居るのはあのヒソカだというのに、浮かべる笑みは何時もよりも癖がなく柔らかい。
ヒソカはそのまま、隣で固まるAの頭を優しく撫でながら彼女に言い聞かせるよう口を開く。
「君は本当にいい子だねぇ…♧このボクをこんなにも信頼しちゃって…凄くいい子なのに、凄く甘えるのが下手で…♢」
頭から髪を伝い、頬を撫でる。
ヒソカは不思議でならなかった。
生まれた時から闇の最も深いところで、毎日他人の命を奪っておきながら、どうして君は汚れないんだろうなと。
どうして君は、ずっと光をやどし続けられるんだろうな。
限りなく闇の住人なのに。
「ボクに好きにお願いすればいいのに♤迷惑な訳がないだろう。…君はほら、他人に遠慮しちゃうから♢ボクだけが特別って感じがして、我儘を言ってくれるのは凄く嬉しいんだ♡」
「…っ」
ヒソカが最後にくつりと笑うと、Aが口をぱくぱくとさせながら顔を赤らめていく。
何よ、その言い方…っ！
何よ、その顔はっ！！
まるで心臓をぎゅうっと握り締められたみたいだ。
こんな、ただの友達に、変態に、ストーカーに、何故こうも感情をかき乱されなきゃいけないんだ！！
この目の前の男に不覚にもドキリとしてしまったのは、絶対にこの顔のせいだ。
「あぁもうッ、調子狂うなぁ！！」
そばにあったクッションに顔を埋め、必死に赤らんだ顔を隠して見せる。
するとヒソカは、実に愉快だと言わんばかりに笑みを浮かべ「隠す事ないだろ〜♡くくく、君はやっぱり可愛いねぇ、顔真っ赤じゃないか〜♡」とこれ見よがしにAの頭をわしわしと掻き混ぜる。
「私が弱気になればそうやって上手いこと言いやがって…〜〜ッ撫でんなッ！！」
044： はいこれティッシュね→←042： 小学生かアンタは
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 847人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鼻毛太郎(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます！🙌これから読み始めるという段階でしょうか、長いシリーズですので暫くの暇潰しになって頂ければ幸いです😌ちなみに私は書いておきながら、覚えておりません！笑 そんな作者ですが、是非お付き合い頂けるとありがたいです！ (2月19日 23時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 私のところはかあさんのお腹の中から来るのよって言われました。生々しい、、、 (2月19日 23時) (レス) id: 53f4f6e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 赤ちゃん、、私は親に聞いたら「ん？掃除機からぽんっ！！ってうまれたよ」って言われました。(うちの親おたまがおかしi(( (2020年12月1日 17時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ゆゆさん» よくお分かりで…！いつか気づく方が出てくるだろうなと心待ちにしていたのですが、ついに…思わず｢きた…！｣と言ってしまいました。お分かりの通りとても、、、好きです、、、 (2020年10月10日 23時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 主さんさてはジョジョ好きですね？ (2020年10月10日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年5月24日 15時
