035： 悩める性癖 ページ36
実に面倒な性癖だというのを、ヒソカ＿＿彼自身自覚している。
殺人衝動を満たすために他人を殺すぐらいはまだいい。
けれど、ただの他人ではダメなのだ。
それだけでは、彼の欲は満たされない。
究極の命のやり取りの中で、境地に立たされ常にスリルで満たされなければ。
そういう時に、彼は生きているというのを体で実感する。
だがしかし、早々簡単に彼のお眼鏡に敵う人間は居ない。
そこで彼は、居ないのであれば育つ前のものを見つけて、育てるもしくは成長まで待てば良いのだと考えた。
彼はそういったモノを総称して、『青い果実』と呼ぶ。
果実は、熟れたら後は枯れていくだけ。
どんな果実にも黄金である期間は限られている。
だから、彼は狩りどきを絶対に誤らないようにしていた。
そんな中で、彼の前にとんでもない果実が現れた。
出会ったその時点で、黄金なのだ。
しかも、それは朽ちない。
一体どんな成長を経たのか、どんな環境で育ったのか、技量は、成長生は、味は。
興味は尽きない。最高品質を保ち続けている。
あぁ、君のおかげで他の物はどうでもよくなってしまったよ。
君は狩る時どんな声をあげるんだろうね。
どんな表情を見してくれるんだろうね。
ボクにどんな光景を見してくれるんだろうね。
君に目をつけたのも、狩るのも、全てボクだ。
他の奴には絶対にやらない。
死んでも、君だけは手放すものか。
A＝ゾルディック
それが、黄金の果実の名前である。
絶対にボクが殺してあげるよ、A。
なんて思っていた時期が、彼にもあった＿＿＿＿。
ゆっくり頭を持ち上げると、首に重たい痛みを感じた。
なんてところで寝てるんだ、ボクは。
ヒソカは片手で額を抑え、そのまま髪を搔き上げる。
昨晩ベッド脇に椅子を寄せ、そこに座ったままベッドを机がわりに突っ伏して寝ていたらしい。
通りで体が珍しく痛い訳だ。
それもこれも、ベッドで寝る彼女が無事ならいいわけで＿＿＿＿。
未だ眠気目な瞳でそのベッドに目をやる。
シーツに広がるのは、乾いた血液と泥汚れだけで例の彼女はそこにいない。
あれ…？
なんて思ったその時、横から声が掛かった。
「おはよ、ヒソカ君」
抑揚は少なく淡々とした声音だが、微かに少女らしさが残る声。
ヒソカは金の双眸で声の主をじっと見つめた。
相変わらずの端正な顔立ち、肢体、体のライン。
風呂上がりなのか、銀の髪が窓から零れる光を受けキラキラと反射している。
036： 夢だけど夢じゃない→←034： いいよ、君にできるならね
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鼻毛太郎(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます！🙌これから読み始めるという段階でしょうか、長いシリーズですので暫くの暇潰しになって頂ければ幸いです😌ちなみに私は書いておきながら、覚えておりません！笑 そんな作者ですが、是非お付き合い頂けるとありがたいです！ (2月19日 23時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 私のところはかあさんのお腹の中から来るのよって言われました。生々しい、、、 (2月19日 23時) (レス) id: 53f4f6e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 赤ちゃん、、私は親に聞いたら「ん？掃除機からぽんっ！！ってうまれたよ」って言われました。(うちの親おたまがおかしi(( (2020年12月1日 17時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ゆゆさん» よくお分かりで…！いつか気づく方が出てくるだろうなと心待ちにしていたのですが、ついに…思わず｢きた…！｣と言ってしまいました。お分かりの通りとても、、、好きです、、、 (2020年10月10日 23時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 主さんさてはジョジョ好きですね？ (2020年10月10日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年5月24日 15時
