003： 殺人鬼の信憑性 ページ4
未だ目の前でわっと泣く彼女。
心なしか先ほどよりも泣き方が酷いような気がする。
こちらの存在なんて気にも留めていない様子で泣き喚く彼女に、気づけばボクの殺人衝動は綺麗さっぱり削がれていた。
というか、興醒めしたが正解に近いのだが…。
文句あんの！！？とあれほどまで女に啖呵を切られたのは初めてである。
ここまで殺人衝動垂れ流しだった相手の胸ぐらを掴み啖呵を切るあたり、この女明らかに普通ではない。
もしくは、そんな事どうでもいいぐらいに何かあった…かな…♤
考えられることとしては、むしろ後者の方が当たっていそうな気もする。
ボクが言うのもあれだけど、こんな夜更けに人通りも少ない場所で女性一人放置というのは危ないと思う。
現に、自分が殺そうとしていたんだから危険性はある意味立証済みだ。
対して美人じゃなかったら、化粧が崩れて鼻水流していても何も思わなかっただろうに。
きっと彼女は帰宅して、自分の顔を鏡で見て尚泣くと思うし、朝目覚めて泣いた理由を思い出し再び泣くだろう。
「うーん…っと、ハンカチ…使うかい？」
お人好しだな、ボクも…♧
ハンカチを彼女に差し出すと、彼女は相変わらずグチャグチャな顔でボクを見上げ「え…」と小さく呟いた。
きっとそれは、本当に使ってもいいのかという事を言いたかったんだと察し、彼女の手を取るとその上にハンカチを載せた。
「どうぞ、お構いなく♢」
細くて、綺麗な手だった。ネイルはしていない。
彼女はボクに言われると、今度はダムが決壊したように大粒の涙を零し始め、ハンカチで顔を覆いながらわんわんと声をあげ泣いた。
本当に何があったんだ…♤
そんなに壮絶なことが？と思いつつ、ヒソカは「隣、いいかな？」と彼女の側を指差す。
すると、彼女はヒソカの顔を見ることなく２、３度コクコクと頷き、そのまま泣き続けた。
何か喋るべきか……♧
しかし、こんな赤の他人の自分に事情を聞かれ、彼女は素直に話すだろうか。
いや、次こそ殴られるか……
面倒なものに足を突っ込んだな…なんて思っていると、なんと今度は彼女から声をかけてきたのだ。
「あ、あのっ、これ、ハンカチ…買って返します…！」
顔拭いて黒くなっちゃったし、それに…見ず知らずの人間が拭いたハンカチなんて…と申し訳なさそうに零す。
彼女の顔を見ると、まだ若干目の下が黒いが幾分か綺麗になった顔があった。
「いや、いいよ♢ボクが君に渡したくて渡したハンカチだからね♤」
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鼻毛太郎(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます！🙌これから読み始めるという段階でしょうか、長いシリーズですので暫くの暇潰しになって頂ければ幸いです😌ちなみに私は書いておきながら、覚えておりません！笑 そんな作者ですが、是非お付き合い頂けるとありがたいです！ (2月19日 23時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 私のところはかあさんのお腹の中から来るのよって言われました。生々しい、、、 (2月19日 23時) (レス) id: 53f4f6e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 赤ちゃん、、私は親に聞いたら「ん？掃除機からぽんっ！！ってうまれたよ」って言われました。(うちの親おたまがおかしi(( (2020年12月1日 17時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ゆゆさん» よくお分かりで…！いつか気づく方が出てくるだろうなと心待ちにしていたのですが、ついに…思わず｢きた…！｣と言ってしまいました。お分かりの通りとても、、、好きです、、、 (2020年10月10日 23時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 主さんさてはジョジョ好きですね？ (2020年10月10日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年5月24日 15時
