028： 封 ページ29
「早く怪我治しなよ、君の念能力『エデン』でさ♤ボク、アレ見るの好きなんだよねぇ♢」
いつもの調子で言いながら、ヒソカはAから上着を受け取る。
上着の方が酷いが、仮宿のベッドシーツはAを降ろした時点で血と泥により汚れてしまった。
「……そう…」
ヒソカはAの反応に、違和感を覚える。
上着を受け取る際も、こちらの顔をみない。
それに加え、どこか上の空だ。
「ん〜？なんだい、A♢ボクの介抱でもお待ちかなぁ？」
可愛いとこあるじゃないか、とAに詰め寄る。
「貴方、頭のネジどっかに落としてるわよ。」なんて悪態程度が飛んでくるかな、と予想していたのだがまたもAからはまともな返事が返ってこない。
二人の間に暫くの沈黙が流れる。
何かを察したヒソカは、すっと目を細めた。
「A…オーラを見せて♢」
彼女の視線を逃さない様、横たわる体に覆い被さる。
分かり易く視線を泳がすAに、ヒソカは追い討ちをかける。
「君の『エデン』、時を加速させる能力でも良い。いつもみたいに、治癒速度を加速させてごらんよ♧何か、ボクは可笑しいことを言っているかな…？」
Aの頬を優しく撫でる。けれど、声は鋭く低い。
ヒソカは見逃さない。
嘘つきに嘘をつくなど、一億年は早い。
爪が、頬から顎の線をなぞった。
「君、何か隠してるな…？」
Aは暫く黙っていたが、すぐに諦めたと短くため息をついた。
「…能力が…念が、練れないのよ……」
”使えないのよ、一切”
ヒソカは続けられた言葉に、嘘だろ？という顔をしたが、「嘘つきに嘘ついてどうするの」と返ってきてしまい口を噤む。
「心当たりは？」
問うも、Aは分からないと首を振るだけ。
「よく思い出せないのよ……頭を強く殴られたのかもね」
聞けば、ヒソカに電話をするまで、自分は暫く気を失っていたのだと言った。
「顔を半分血塗れにする程だからね…一理あるかも♧」
Aの頭にはきつく包帯が巻かれている。
相手の顔も、声も、何も覚えていない。
ただ一つ確実にわかるのは、あのAが打ち負かされる程の相手だったという事。
ヒソカはAの上から体制を起こし、「手がかりは無しか…」と零す。
そういえば…
ふとヒソカは、例の現場でA以外の微弱なオーラを感じたことを思い出した。
あのオーラ、確かAと同じ位置から感じた。
思い立ったヒソカは、凝を行う。
やはり、オーラはまだそこにあった。
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鼻毛太郎(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます！🙌これから読み始めるという段階でしょうか、長いシリーズですので暫くの暇潰しになって頂ければ幸いです😌ちなみに私は書いておきながら、覚えておりません！笑 そんな作者ですが、是非お付き合い頂けるとありがたいです！ (2月19日 23時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 私のところはかあさんのお腹の中から来るのよって言われました。生々しい、、、 (2月19日 23時) (レス) id: 53f4f6e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 赤ちゃん、、私は親に聞いたら「ん？掃除機からぽんっ！！ってうまれたよ」って言われました。(うちの親おたまがおかしi(( (2020年12月1日 17時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ゆゆさん» よくお分かりで…！いつか気づく方が出てくるだろうなと心待ちにしていたのですが、ついに…思わず｢きた…！｣と言ってしまいました。お分かりの通りとても、、、好きです、、、 (2020年10月10日 23時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 主さんさてはジョジョ好きですね？ (2020年10月10日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年5月24日 15時
