014： 無防備なケモノ ページ15
寝言なのかは分からないが、首元で「まだ…帰んない…」とモゴモゴ呟く。
それに対し、「はいはい、今日はお開きだよ♢」と返しておく。
外に出ると、まるでタイミングを見計らったように車が止まった。
運転席から身を乗り出し、イルミが助手席の窓から顔を覗かす。
「おんぶ……まぁ、いいよ。おんぶなら許そう。」
「来て早々の第一声とは思えないな…。傷つくじゃないか♧」
いつも通りの飄々とした表情を浮かべ反論する。
勿論、イルミにはその言葉を「はいはい」と流されたわけだが。
イルミは運転席を降りると、ボクには目もくれず真っ先に姉に声をかけた。
「ねーさん。ねーさーん。………ダメだ、返事なし。明日は二日酔い決定だね。ヒソカ、後ろの扉開けるからねーさん寝かすの手伝って。」
イルミは淡々と告げると、後部座席の扉を開ける。
ボクの手からイルミは彼女の鞄を受け取り、手が空いたボクは彼女を後部座席に寝かす。
後部座席に無防備に寝そべる姿。
「こうさ…このままガバッと行きたくなるね♢」
「言っとくけど、普段のねーさんに言ったら殴られるよ。」
イルミがさらりと述べた言葉に、「へぇ…」とボクは顎を撫でる。
「やっぱり強いんだ♢君と比べるとどのくらい…？」
強い人間ほど、爪を隠すのが上手い。
彼女はそれが上手く、正式なレベルが分からなかった。
「言う程喧嘩はしないけど、するとしたら血は流れるかな。」
思わず、「君が？」とイルミに目を向ける。
この無防備にだらしなく寝こける彼女からは全く想像が出来ない。
「まぁね。ねーさん、相手とか関係なしに手が出るから。」
「へぇ…興味あるな…♤」
彼女を視界に入れながら、舌なめずりをするとイルミが鋭い視線を浴びせた。
あれは絶対に殺すって目だったな。
とはいえ、やっぱり彼女もゾルディックの人間だったか。と悟る。
是非正気の時の彼女に会いたいものだ。
って、
「あれ？」
イルミに目を向けると、すでに彼は運転席に戻りシートベルトをつけ始めている。
「ボクのことを乗せてってあげようとかはないわけ？」
「当たり前だろ。どうせヒソカ、放浪して適当に仮り宿とったりしてるだろ。だったら、お前をどこに放置したって一緒じゃん。」
「可哀想とかないんだ♢」
「ねーさんと一緒に居た時点でヒソカの罪は重いんだよ。」
イルミ、君瞬きせずに言うから心にグサッときたよ。グサッと。
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鼻毛太郎(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます！🙌これから読み始めるという段階でしょうか、長いシリーズですので暫くの暇潰しになって頂ければ幸いです😌ちなみに私は書いておきながら、覚えておりません！笑 そんな作者ですが、是非お付き合い頂けるとありがたいです！ (2月19日 23時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 私のところはかあさんのお腹の中から来るのよって言われました。生々しい、、、 (2月19日 23時) (レス) id: 53f4f6e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 赤ちゃん、、私は親に聞いたら「ん？掃除機からぽんっ！！ってうまれたよ」って言われました。(うちの親おたまがおかしi(( (2020年12月1日 17時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ゆゆさん» よくお分かりで…！いつか気づく方が出てくるだろうなと心待ちにしていたのですが、ついに…思わず｢きた…！｣と言ってしまいました。お分かりの通りとても、、、好きです、、、 (2020年10月10日 23時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 主さんさてはジョジョ好きですね？ (2020年10月10日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年5月24日 15時
