011： その辺の虫けら ページ12
彼女の自由人なペースに振り回されっぱなしだったが、ようやくいつもの調子が戻ってくる。
そうそう、ボクっていつもこんな感じだったじゃないか♡
口の端を釣り上げ、隣の寝こける彼女をじっと観察する。
大概の強い人間は匂いでわかる。
しかし、彼女からはその匂いが感じない。
相当隠している…のは、例の彼女を振った男のためだろうか。
恐らく、というか絶対に、彼女は男に実は人殺しが仕事の人間だというのは隠していただろう。
「えい、」と遊び心で頬をつつくと、もぐもぐと口を動かす。
絶対何か食べてる夢だ。
こんな事される前に目覚めるのが普通なんだけど…♢
全く呆れちゃうね、と思う反面俄然興味が湧いてくる。
しかし…友達にはなりたいが、彼女の”お友達”になるにはとてつもなく高い壁が待ち受けている。
そんなとき、自分の携帯が鳴った。
画面には『イルミ』の文字。
件のとてつもなく高い壁からである。
まさか、嗅ぎつけたか？と思いつつ、「もしもし？」と平然とした様子を保ち呼びかける。
「しらばっくれるなよ。ヒソカ、ねーさんと居るでしょ。」
通話口の向こうから、イルミ特有の起伏の少ない声が返ってきた。
「君、鼻が良すぎるんじゃないの？」
「まさか。さっきのねーさんとの電話、お前が店名言ったのが聞こえたんだよ。声でわかった。」
ああ、そういう事♤
「ねーさん、酔潰れるとすぐ寝ちゃうんだ。どうせでないと思ってね。だから、ヒソカにかけた。」
ボクはその言葉に、「ふぅん、」と目を細め笑う。
すると、それが気に障ったのかイルミの苛立った声が返ってくる。
「何でお前がねーさんと居るわけ？初対面なはずだと思ってるんだけど。俺、ヒソカにはねーさんを紹介しないように敢えてしてたんだからね。」
…通りで知らないわけだ
と横目で彼女を見る。
イルミは暗殺者のエリートだが、それが拗れてか家族に歪んだ愛情を向けている節がある。
少し意地悪でも言ってみるか
くつりと笑いながら、彼女の髪を一房取り指に絡める。
「あんまりいい匂いがしたからさ、拉致しちゃった♡」
「殺すよ。本気で。」
食い気味で飛んできた言葉に、ボクは「相変わらずだなぁ、君♧」と零す。
「よくないよ？そういうの♢自分のお姉さん縛り付けるなんてさ♤」
「縛り付ける？失礼だな。唯一無二の双子の姉を害から守る。過保護にならない弟が居るかな。」
むしろ甘い方だよ。とまで返ってくる。
害…♧
さらりとなんて事を…♢
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鼻毛太郎(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます！🙌これから読み始めるという段階でしょうか、長いシリーズですので暫くの暇潰しになって頂ければ幸いです😌ちなみに私は書いておきながら、覚えておりません！笑 そんな作者ですが、是非お付き合い頂けるとありがたいです！ (2月19日 23時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 私のところはかあさんのお腹の中から来るのよって言われました。生々しい、、、 (2月19日 23時) (レス) id: 53f4f6e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
みな - 赤ちゃん、、私は親に聞いたら「ん？掃除機からぽんっ！！ってうまれたよ」って言われました。(うちの親おたまがおかしi(( (2020年12月1日 17時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ゆゆさん» よくお分かりで…！いつか気づく方が出てくるだろうなと心待ちにしていたのですが、ついに…思わず｢きた…！｣と言ってしまいました。お分かりの通りとても、、、好きです、、、 (2020年10月10日 23時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 主さんさてはジョジョ好きですね？ (2020年10月10日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年5月24日 15時
