行かないで・・涙。(tkxin♀)涙シリーズ(１)

＝１滴＝　〜雄也サイド〜 ページ1

「へぇっ？！えっ？ちょっ・・マジでっっ？？！！」

喉から変な声を出す・・俺、高木雄也・・高２。(高の字にしてるよ。)




目の前の状況に驚き

呆然としながらも、喉の奥から

言葉を振り絞って、もう一度声を出した。



「ど、どーなってんだよ・・。
　え？え？慧君・・？？それ＿＿＿＿＿。」





・・・俺が、どーしてこーも

パニクってるかというと・・・。




つい先日、俺の親父、宏太が再婚した。

スレンダーで、目がパッチリした美人で・・

光さんって人と・・・。


まぁ、それはめでてーし、良かったんだけどさ。



ちょっと前に顔合わせなる食事会をした時

俺と親父と、弟の涼介、高木家３人に

光さんの一人息子として紹介された慧君。





で、その日から３ヶ月して

昨日から光さんと慧君が加わって

５人暮らしになるという

新しい生活の・・幕開けに＿＿＿＿。





俺、自分の部屋の隣、

慧君の部屋のドアを開けて

マジ、ビックリパニックっ。



「マジか・・・。」




何故ってさ、明日から、俺のＮＥＷ弟が(同じ年だけど。)

俺の高校に転入してくるってんで、

色々教えてやろーと思った

優しーお兄ちゃんさー、慧君の部屋のドアを

開けたわけよ。




そったらさ〜〜、ＮＥＷ弟の慧君が・・

俺の学校の、女子の制服着てんだもんさ。


ビビるだろ？？





俺は、アワアワしてる慧君に

「え？・・あ、け、慧君、に、似合うな。
　じゃ、ねーか。え〜〜、その、それは。
　慧君の趣味・・的なもの？？」





慧君は、えっと、えっとって言いながら

フワフワのキノコカットを揺らして

アワアワしながら俺に近付き

俺を部屋に入れて、ドアをパタンっと閉めた。





俯いている慧君を見つめながら

俺はベッドに腰掛けて

「あ、そうか・・。
　心が女の子とかそーゆうの？もし、そーなら
　隠さなくても平気だよ。俺も親父も涼介も
　受け入れるよ？俺達、家族になったんだからさ。」





慧君は、赤いチェックの制服のスカートを

フワリとさせポスンっと俺の隣に座って


「あ、あのね・・その・・。」


って、言ったあと・・もじもじしてる。



キャメル色のブレザーの袖をイジイジして

俯いている。





・・・しっかし、男の子なのに、

スカートと紺のソックスの間から覗く足・・

しれーなぁ。真っ白じゃね？とか、

思っちゃったりして＿＿＿＿＿＿。






もじもじ、不安そうにしてる慧君に

「あ〜そうか、安心しなって。」

＝２滴＝→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す