箱庭少女の孤高哀歌【瞬木隼人】Part13

#ファイアートルネード ページ10

ﾊﾞﾙｶﾞ「行かせんぞ！」

黒岩「ならば止めろっ！！」



大きい人が黒岩監督を止めようと立ちはだかるも、監督の暴力的なプレイに為す術なく倒れ伏す。

そんな監督と並走してボールを奪おうとするはー君だったが、その前に監督は高く飛び上がると、驚く事に必殺技を放った。



黒岩『ファイアートルネード！！』



最初は敵側のゴールへと打ったのかと思ったけれど、そうじゃなかった。

ボールの矛先はなんとはー君だった。


炎を纏った強烈なシュートがはー君へと向かって行く。

はー君はまさか自分に向けられるとは思っていなかったんだろう。咄嗟に動けず、ただ呆然と迫るボールを見遣る。



A「うそっ…！？はー君…！！！」



私は思わずベンチから立ち上がり、声を上げた。

あんな凄いシュートだ……諸に受けたらタダじゃおかない。


目の前ではー君の傷付く姿は想像するだけで倒れてしまいそう。


この先の展開を見ていられなくて、私は顔を両手で覆った。



天馬「はぁぁあああ！！」

剣城「っ……！」



だがはー君にボールが直撃する直前に、キャプテンと剣城君がほぼ同時に割って入り、シュートを2人がかりで蹴り返した。

結果、ボールは見事グラウンドから弾かれ、指の隙間から見ていた私は大きな安堵の息を吐きながらﾍﾅﾍﾅとベンチに座り直した。



よ……良かった……キャプテン、剣城君、ありがとう。

あのまま直撃してたらきっと、はー君大怪我してる所だったろうから。


それにしても…監督は一体何を考えているの？

急に暴走したと思ったら誰彼構わずボールで傷付けて、ラフプレイの連続で。
しかもはー君に向けてシュートまで打って。


普段の監督からは想像も付かない程の暴れっぷり。

これが監督の本性とでも言うのだろうか？



……どちらにせよ、はー君にシュート打ったのは許さないんだからね、絶対。



A「……？」



ボールはグラウンドから出てしまったが、試合はそのまま続きそう。
そうなったらまた、あの監督の暴走か始まってしまうんだろうか。

そんな不安に駆られていると、不意に監督は空を仰いだ。


つられて私も顔を上げて監督の見ている方を見遣ると、不意にｷﾗﾘと光が瞬いて

次の瞬間、上空から監督に向けて真っ直ぐビームが降り注いだ。

#魂で闘え→←#監督の暴走

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