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彼女は名乗る ページ38

「おそ松兄さんっ…?!」

「兄貴っ…?!」

「お、おい…何やってんだよお前っ…?」



当然兄弟達は動揺を隠せず、おそ松に刺さるナイフと豹変した彼女を交互に見ては困惑するばかり。

そんな彼等にもハッキリとわかるように、彼女は笑いながら告げた。



「何やってんだよ…?そんなの、簡単よ。

___私達の犲由瓩鯀砲犲挧睚を消している所よ」



言いながら彼女はおそ松に突き刺していたナイフを思い切り引き抜いた。

途端に血がおそ松の足元に滴り、おそ松は痛みに思わずその場に膝をつく。
その様子をクツクツと笑いながら見下ろす彼女。


そこまでしてもまだ彼等は彼女を敵として認識出来ないのか、困惑の表情を浮かべて彼女を見遣るばかり。



「この作戦、途中までは上手くいってたわ…アンタ達以外にこの子を狙う輩に追いかけ回されるまではね。
でも大したヤツらじゃなかったし、アンタ達を誘き出すのにこの場所は丁度良いかなって思って。

ついでに捕まるフリして暴れさせてもらったわ」



いつもの彼女らしからぬ歪な笑みを浮かべながら、彼女は周りを見渡してせせら笑う。

彼女の豹変ぶりにすっかり狼狽える彼等はそんな彼女をまだ受け入れられないようで
苦悶の表情を浮かべながらも、まだ彼女がいつもの彼女であると信じ、あるいは目の前の現実から目をそらすように声を掛けた。



「じ、冗談でしょ、Aちゃん…?僕達今まで仲良くしてたじゃん…?いきなりこんな事するなんて…」

「当たり前でしょう?でなきゃとっくに殺されてたわ。
今までアンタ達と過ごしてたのはアンタ達の隙を伺ってただけなんだから。勘違いしないでよ」

「でも、でも…Aちゃん、俺達の事大好きだって……一緒にいると楽しいって言ってたもん…!」

「……今まで過ごしてた時間全部、俺達を騙してたってのか」

「あーそっか、アンタ達は知らないんだっけ?犹筬瓩了」

「は……?」



あまりにも必死で、縋るような視線に耐えかねた彼女は頭を抱えると心底面倒くさそうに溜息を吐いた。

おそ松以外は彼女の言っている事の意味がわからず眉を顰める。


そんな彼等の前で彼女は改めて、自身の存在を名乗った。





「私はクロ。この子を守る為に生まれて来た人格よ」

兄弟は知る→←ルビーは油断する



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(プロフ) - 朝から暇潰しにと軽い気持ちで読み進めてたんですが、書き方や設定の作り込みにすごく惹き込まれて一気に最終章まで読み進めてしまいました……特に主人公対兄松それぞれのやり取りにはすごく圧巻したというか、兎にも角にも笑いあり感動ありですごく面白かったです;; (2022年4月30日 0時) (レス) @page50 id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - トマトの王様さん» コメントありがとうございます!終わってしまいました…!楽しんで頂けたようで良かったです^^ここまで読んで下さりありがとうございました〜!! (2019年8月1日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
トマトの王様 - うわあぁぁぁぁぁ!遂に終わってしまった…!( ;∀;)読んでてとても楽しかったです。お疲れ様でした! (2019年7月31日 14時) (レス) id: 5390b171c6 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - arumo?さん» コメントありがとうございます!お疲れ様ですっ( ˇωˇ ) (2018年10月10日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
arumo?(プロフ) - お疲れ様です! (2018年9月29日 11時) (レス) id: ee4365cb85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年9月9日 1時

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