ルビーは半分背負わせる ページ32
「…だって、わざわざ相談する程でもないだろ?」
「俺達は六つ子だぞ?!同じ顔が6つ!血の繋がった運命共同体だ!!少しぐらい俺達に頼ったっていいんじゃないか?!」
「だァってお前達は俺の弟だろ?
お兄ちゃんが弟に頼るだなんて、なぁんかカッコ悪いじゃん?」
「産まれた順番が違うだけで、兄も弟も関係ない!
それにいつもは弟に金たかるクセに!!」
「いっ、今ソレはカンケーないだろ?!」
「カンケーあるだろ!?」
いつしかいつものような口論となり、つい2人はムキになって声を荒らげた。
暫くカラ松はおそ松を睨みつけ、おそ松も正面を向きながらも時折バックミラー越しにカラ松を睨む。
だがふと、カラ松は頭を抱えて背凭れに背中をあずけ項垂れると、今度は先程と違い弱々しい声で告げた。
「…お前の悩みは、俺達の悩みでもあるんだ。
お前がいつまでも解決しないなら、俺達もいつまでも引き摺ってるままだ」
「なんだよ…それ。勝手に引き摺るなよ、俺の悩みを」
「そうやって欲張るな。1人で抱えず俺達にも吐き出せ。
1人で持てない重い物も、6人で運べば少しは動くだろ?」
「……」
おそ松はカラ松から目をそらす。
その表情は何処か呆れたようだった。
その後また沈黙が流れたが、先程のようなピリついたものではなく、落ち着いていた。
おそ松は吸っていたタバコをぐりぐりと灰皿に押し付け、溜息を吐く。
そうして諦めたように口元を綻ばせると、窓際に頬杖をついて眉を下げた。
「……じゃー、まずは半分お前に分けてやるよ。
…背負って、くれる?」
「…! もちろんだ、兄貴!」
おそ松は遂に、弟であるカラ松に頼る事を覚え
カラ松は何処か嬉しそうに大きく頷いた。
その返事を聞いておそ松は「ニシシ」と歯を見せて笑うと姿勢を改め、ハンドルを持つ手を直していつもの調子で告げた。
「ほんじゃ、背中も軽くなった事だし、Aちゃん探し再再開しよっか!!」
「ああ!」
「……って事でカラ松、パーキングエリア寄るから運転変わって」
「えっ」
ピンクサファイアは手掛かりを掴む→←ルビーは苦悩を打ち明ける
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柊(プロフ) - 朝から暇潰しにと軽い気持ちで読み進めてたんですが、書き方や設定の作り込みにすごく惹き込まれて一気に最終章まで読み進めてしまいました……特に主人公対兄松それぞれのやり取りにはすごく圧巻したというか、兎にも角にも笑いあり感動ありですごく面白かったです;; (2022年4月30日 0時) (レス) @page50 id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - トマトの王様さん» コメントありがとうございます!終わってしまいました…!楽しんで頂けたようで良かったです^^ここまで読んで下さりありがとうございました〜!! (2019年8月1日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
トマトの王様 - うわあぁぁぁぁぁ!遂に終わってしまった…!( ;∀;)読んでてとても楽しかったです。お疲れ様でした! (2019年7月31日 14時) (レス) id: 5390b171c6 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - arumo?さん» コメントありがとうございます!お疲れ様ですっ( ˇωˇ ) (2018年10月10日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
arumo?(プロフ) - お疲れ様です! (2018年9月29日 11時) (レス) id: ee4365cb85 (このIDを非表示/違反報告)
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