サファイアはかなり心配性 ページ4
その後はまた一通りアトラクションを楽しみ、最後にまた恐怖のぐるぐるジェットコースターで締めくくり、彼等は夢の『キャットランド』を後にした。
カラ松はフラフラしながらも何とか駐車場に辿り着き、車に乗り込むと、今にも吐き出しそうな青い顔をしながらも何とか耐えていた。
その隣ではケロリとしている彼女が「楽しかったぁ〜」「また行きたいね!」「またぐるぐる乗りたいなぁ」と遊園地の感想を述べていたが、最後のはカラ松は遠慮願いたかった。
「ね、カラ松!次は何処に行こっか?
水族館?映画館?オーサカ?ラスベガス?」
「ハハ…ラスベガスはいきなり飛び過ぎだ、キティ…」
「…?カラ松、なんだか元気無いね?」
「ああ…大丈夫だキティ。心配するな。
もう少ししたら…その、気分も幾分かよくなるだろうから……だから、次の場所に行くのはもう少し待っててくれ」
「……」
カラ松まだ具合が悪いようで、らしくない弱々しい苦笑いを浮かべながらそう話し、彼は窓際に寄り掛かった。
そんな彼を見て彼女は心配そうな顔をすると
不意に車の扉を開けて、外へ出ようとした。
幾ら具合が悪くても、当然カラ松は彼女の腕を咄嗟に掴んで止めに入った。
「ま、待てA!ど…何処に、行くんだ?」
「自販機で飲み物買って来る!
カラ松、気持ち悪いんでしょ…?そういう時はお水飲めば良いんだってチョロ松が言ってた!」
しかし彼女はこの内に逃げようだとか、そんな事ではなく、単にカラ松の為に飲み物を買って来てくれようとしたようだ。
彼女のその優しさにカラ松は思わず口元を綻ばせるが
すぐに湧いてきた吐き気に思わず空いたもう片方の手で口元を押さえると、彼女は「ま、待ってて!すぐ買いに行く!」とカラ松の腕を振り払い、車を出てしまう。
カラ松の静止の声も虚しく、彼女はもう見えなくなってしまい
カラ松は座席の背もたれに凭れ、静かになった車内で溜息をついた。
彼が考えるのは、彼女が無事に戻って来るのかどうか。そればかり。
別に彼女を信頼していないワケではないが、やはり心配なものは心配だ。
それに彼女の場合は不思議な魅力を持っていて、変な輩が彼女に絡んで来たりするかもしれない。
途中で怪我をして、動けなくなってしまうかもしれない。
もしかしたら猯↓瓩凌祐屬彼女を連れ去ってしまうかもしれない。
考えれば考える程、カラ松は別の意味で具合が悪くなって来た。
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柊(プロフ) - 朝から暇潰しにと軽い気持ちで読み進めてたんですが、書き方や設定の作り込みにすごく惹き込まれて一気に最終章まで読み進めてしまいました……特に主人公対兄松それぞれのやり取りにはすごく圧巻したというか、兎にも角にも笑いあり感動ありですごく面白かったです;; (2022年4月30日 0時) (レス) @page50 id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - トマトの王様さん» コメントありがとうございます!終わってしまいました…!楽しんで頂けたようで良かったです^^ここまで読んで下さりありがとうございました〜!! (2019年8月1日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
トマトの王様 - うわあぁぁぁぁぁ!遂に終わってしまった…!( ;∀;)読んでてとても楽しかったです。お疲れ様でした! (2019年7月31日 14時) (レス) id: 5390b171c6 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - arumo?さん» コメントありがとうございます!お疲れ様ですっ( ˇωˇ ) (2018年10月10日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
arumo?(プロフ) - お疲れ様です! (2018年9月29日 11時) (レス) id: ee4365cb85 (このIDを非表示/違反報告)
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