サファイアは恋バナする ページ29
「……お前さぁ、Aちゃんにご執心なのはわかるケドさぁ、ちょっとは周りも考えなきゃダメだよ?
だから一松に爛ソ松瓩辰童討个譴襪鵑世茵」
「……」
「…あー、まぁ……気持ちはわからないでもないよ。お前もアイツの事、好きなんだろ?
大好きな女の子から『駆け落ちしましょ!』なんて言われたら断れないよねェ?」
少し言い過ぎたと思ったおそ松は間を置いてからフォローしたが、カラ松は若干ムッと眉を顰めて黙り込んでしまった。
きっと今のカラ松も傷ついているんだろう。
そりゃそうだ、好きな女性から誘われたのに、結局裏切られて騙されて。
その横顔を見ていると昔の自分と重なって、おそ松はハンドルを強く握り締めた。
「……無事連れ戻せたら、そこら辺ちゃあんと躾し直さなきゃね」
「…!まさか、乱暴するのか!?」
「そうだって言ったら?」
「…………」
「冗談だよジョーダン!そもそもそんな事したら俺、いよいよ殺されちゃう」
「…本当か?」
「本当だって。俺だってAちゃんに酷い事はしたくないもんね」
そもそも彼女が逃げ出したのは彼女のもう1つの人格であるクロの仕業だ。
A自身は何も悪くない。
だがその事を知っているのはおそ松だけで、当然カラ松は知らないだろう。
適当にそう言ったおそ松だったが、内心はクロを絞め殺したくて堪らない。
だがそうすると本体であるAまでもいなくなってしまうので、どうにも出来ないのがおそ松には酷く歯痒く感じた。
「……Aに傷付けでもしたら、俺は絶対に許さないからな、おそ松」
「わーってるって。そんな怖い顔すんなよ」
ギロリとおそ松を睨みつけるカラ松。
そんな彼をおそ松は横目で見遣りながらヘラヘラと笑ってみせた。
2人の会話は1度そこで途切れて、道は高速に差し掛かる。
おそ松は正面を向き、カラ松は項垂れたまま暫くそのまま静かに道路を走っていたが、不意にカラ松が「なぁ、」と項垂れたまま口を開き、おそ松は返事を返した。
「んー?なぁに?」
「お前は…Aの事、好きか?」
「……は?」
思わずカラ松の方を見てしまいそうになったが、おそ松はバックミラー越しにカラ松の姿を一瞥して眉を顰める。
カラ松は相変わらず悲しそうな、むくれたような表情のまま続けた。
「俺は好きだ。彼女が好き。
いや………愛してる」
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柊(プロフ) - 朝から暇潰しにと軽い気持ちで読み進めてたんですが、書き方や設定の作り込みにすごく惹き込まれて一気に最終章まで読み進めてしまいました……特に主人公対兄松それぞれのやり取りにはすごく圧巻したというか、兎にも角にも笑いあり感動ありですごく面白かったです;; (2022年4月30日 0時) (レス) @page50 id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - トマトの王様さん» コメントありがとうございます!終わってしまいました…!楽しんで頂けたようで良かったです^^ここまで読んで下さりありがとうございました〜!! (2019年8月1日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
トマトの王様 - うわあぁぁぁぁぁ!遂に終わってしまった…!( ;∀;)読んでてとても楽しかったです。お疲れ様でした! (2019年7月31日 14時) (レス) id: 5390b171c6 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - arumo?さん» コメントありがとうございます!お疲れ様ですっ( ˇωˇ ) (2018年10月10日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
arumo?(プロフ) - お疲れ様です! (2018年9月29日 11時) (レス) id: ee4365cb85 (このIDを非表示/違反報告)
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