◇ラプンツェルは訪れる ページ35
「………で?なんで俺の所に来た?」
パジャマ姿のフドウが私を見下ろしながら不機嫌そうに言う。
そりゃそうだよね。だってもう就寝時間だもん。寝なきゃいけない時間だもん。
それでも私は気付いたらフドウの部屋に向かってた。
扉を何回かノックして、小声で呼んだらフドウが出て来てくれた。
そんな顔するなら出て来なければ良かったのに。
「だぁって……寝れないなーって思ったら……フドウの顔が浮かんで。フドウの所に行けば、寝れるのかなーって……」
「はァ?何寝ぼけた事言ってんだ?
もう少し現実寄りの言語で話してくれるか?」
「しょうがないじゃん〜…!私だってわからないよぉ…!」
「……はぁ……」
確かに瞼は重いのに、身体が寝ようとしてくれなくて。
自分でもまるで駄々っ子みたいだと思うぐらいに駄々を捏ねて泣きついたら、フドウは大きな溜息を吐いた。
「……つか、こんな時間に女子が男子の部屋来てんじゃねーよ」
「……?なんで?」
「なんで、って……あー、クソっ……
ちんちくりんのクセにマジいい加減にしろよ」
「……??」
フドウの言ってる事は時々意味がわからない。
昨日も似たような事言ってたような……
女の子が男の子の部屋に来るのもダメなんだ?どうして?うーん……
考えても、やっぱりわからなくて。
というか、あんまり考えられなくて。
そんな事より私は早く寝たかったから、ちょっと無理矢理な方法をとる事にした。
「…とりあえず、お部屋に入れて」
「……は?」
「ここでお話するのはなんか……なんか、ちょっと、ヤダ……だから、お部屋に入れて」
「……お前、さっきの話聞いてた?」
「入れてくれないなら私、今すぐ此処で叫ぶよ」
「なっ…!?」
……ちょっと無理矢理過ぎたかな?
フドウはギョッとした顔をする。
それでもフドウは入れるのに躊躇しているみたいだったから、私は1度息を吐き、目いっぱい吸い込み始めると、フドウは慌てた様子で私の口を片手で塞ぎ、また溜息を吐くと「わかった」と観念してくれた。
「……お前、他の奴らの部屋には夜中に絶対行くなよ」
「えっ?……うん……」
240人がお気に入り
「イナズマイレブン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*IJu*(プロフ) - カニ味噌汁さん» コメントありがとうございます!そんなにお褒め頂き嬉しいです…!楽しんで頂けているようで^^更新頑張りますー! (2022年10月17日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
カニ味噌汁(プロフ) - 今まで見てきたイナイレの作品の中で一番好きです!更新頑張ってください! (2022年10月11日 4時) (レス) @page45 id: cefe10f937 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます!! (2022年9月10日 1時) (レス) @page38 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんちゃん(プロフ) - 更新ありがとうございます!本当最高です! (2022年8月11日 16時) (レス) @page30 id: b236fc8679 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - たけのこさん» コメントありがとうございます…!気に入って下さって嬉しいです^^更新頑張りますー! (2022年8月8日 14時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ