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◇ラプンツェルは隠す ページ18

「…おい、お前まさか馬鹿正直に話すつもりじゃないだろうな?」



下から睨まれるように見られながらも声を潜め、アキに聞こえないようフドウは尋ねた。

(馬鹿、は余計だけど)まさに正直にフドウと言い争った事を言おうと思ってたので、思わず「だ、ダメなの?」と零すと、フドウは一瞬目を見開いた後「当たり前だろ」と怒られてしまう。



「こんな時間に俺みたいなのがお前の部屋にいるって知られたら誤解されるに決まってんだろ?」

「誤解…?まぁ、就寝時間に人の部屋に来るのはフツーは迷惑だもんね……」

「…………お前、マジで危機感とか無いんだな」

「えっ?」



……また危機感の話された。

呆れを通り越して哀れにさえ思われているような表情をされ、私は思わずムッとする。


…って、そんな事してる場合じゃない。
早くアキとおはなししないと。
あんまり長く待たせたら、もっと怪しまれちゃう。

フドウも私の部屋に来ている事は隠したいみたいだし……

私はまたアキに聞こえないように小さい声で話し掛ける。



「…とりあえず、フドウは隠れてて!」

「隠れる、って……どこに?」

「えぇっと……お布団の中!」

「…………はぁ?」

「仕方ないでしょ!他に隠れる場所無いんだもん…!
いいから早く!これ以上待たせたら怪しまれるでしょ!」

「ちょっ……ぐっ…!?」



乗り気じゃなさそうなフドウに言いながら私はベットの布団の端っこを持ってフドウに頭から被せた。

顔を出そうとしたフドウだったけれど、私がそんなフドウを押し倒し、寝転ばせる。
だって起きたままだと中に人がいるってバレバレでしょ。


フドウもそう思ったのか、布団の中で文句は言いつつも抵抗はしなかった。おかげで非力な私でも簡単にフドウの上体を倒せた。

あとはそれっぽく布団の膨らみを誤魔化して、最後に元からあったぬいぐるみで飾り付け。
パッと見た感じ、バレない(はず)仕上がりになり、私はそれを確認してから、ようやく部屋の扉を開いた。



「ご、ごめんねアキ…!出るの遅くなって!」

「ううん、いいのよ。私もこんな時間にごめんね?」



扉を開くとパジャマ姿の不安気な顔をしたアキが立っていた。

普段はライモンの制服だったり、ジャージ姿だから新鮮……
それにアキのパジャマ可愛い……じゃなくって。


続けてアキは言葉を続けた。



「それでね……Aちゃん。Aちゃんの部屋から怒鳴り声が聞こえて来たんだけれど……」

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*IJu*(プロフ) - カニ味噌汁さん» コメントありがとうございます!そんなにお褒め頂き嬉しいです…!楽しんで頂けているようで^^更新頑張りますー! (2022年10月17日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
カニ味噌汁(プロフ) - 今まで見てきたイナイレの作品の中で一番好きです!更新頑張ってください! (2022年10月11日 4時) (レス) @page45 id: cefe10f937 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます!! (2022年9月10日 1時) (レス) @page38 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんちゃん(プロフ) - 更新ありがとうございます!本当最高です! (2022年8月11日 16時) (レス) @page30 id: b236fc8679 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - たけのこさん» コメントありがとうございます…!気に入って下さって嬉しいです^^更新頑張りますー! (2022年8月8日 14時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年5月26日 0時

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