関係ない ページ23
「……ねぇ、」
静かな店内で、Aが呟く。
響木は再び顔を上げると、さっきとは打って変わって怯えているような表情の彼女が、言葉を続けた。
「さっきの……円堂、さ。
その……本当に、あの円堂大介の孫だと思う?」
「……」
言葉を選んで、恐る恐る尋ねていてるようだった。
響木は目を眇め、少し考えるような素振りを見せると、また新聞紙に視線を戻した。
「ああ。なんせ、あの人にそっくりだったからな」
「……そう」
「それが何だ?」
「…し、知った所でアンタには関係ないわよ」
らしくない、しおらしい表情をしていたが
不意に取り繕うようにそう言って、彼女はそっぽを向いた。
まだぎこちないが、いつもの調子に戻ったAを響木はまた鼻で笑う。
そうしたら即睨まれたが、響木は特に気にする事はなく、新聞を眺めた。
暫くAはまた何か質問して来るのかと警戒していたが、そんな事はなく。
内心、胸を撫で下ろすとさっさと話題を切り替えた。
「あ、そうだ。今度の昼、アタシ出掛けるから」
「またか」
「何よ、文句ある?」
「いいや。喧しいのがいない分、やりやすいから助かる」
「つってもあんま人来ねェだろうが……!
アタシがいない間にパンケーキ頼まれて困ればいいわ!」
「ハイハイ」
先程のしおらしさはどこへやら。
目を釣り上げ、最後に捨てセリフを吐くと同時に洗い終わった丼をシンクに積み重ねて「休憩!」とエプロンを乱暴に抜いで奥に引っ込んだ。
彼女が厨房からいなくなってから響木は顔を上げると、彼女が引っ込んだ奥の部屋の方を見遣り、1つ溜息を吐いた。
77人がお気に入り
「イナズマイレブン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真昼 - 久しぶりに見て見ました。更新されていて、嬉しかったです\(//∇//)\ (2023年1月15日 0時) (レス) @page34 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます!いずれ絡ませたいとは思っていますが、いつになるのかはごめんなさい、作者も分かりません……基本無計画なので(殴)更新も遅いですが、でもゆっくりでも頑張りますー! (2022年10月10日 16時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 更新頑張ってください (2022年10月10日 14時) (レス) @page17 id: e325fc5c3e (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 帝国キャラと女主が関わってほしいです。 (2022年10月10日 14時) (レス) @page17 id: e325fc5c3e (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - ちゃんちゃんさん» コメントありがとうございます!恐縮です…それだけ楽しんで頂けているようで作者、感無量です…!!ありがとうございます! (2022年9月20日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ