昔から ページ14
「……違う？何がだ？」
彼女の呟きは佐久間に届いていたようだった。
訝しげに尋ねる佐久間にAは握り締めていた拳を解くと、再び2人の方を向いた。
その瞳はまるで氷のような、冷たい瞳をしていた。
「……アンタ達こそ、よく今もあんな所に居れるわね」
吐き捨てるように告げると、佐久間は再び眉が釣り上がる。鬼道も流石に目を眇めたが、彼女の態度に違和感を覚えた。
「…どういう事だ？」
「分かってるクセに……そのままの意味よ。
とにかく、私はもうあんな所には戻らない。
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「……」
言い終わるが早いか、彼女はそのまま踵を返してしまった。
彼女の含みのある言い方に鬼道は首を傾げる。
いつもの彼女らしくないモノを感じたが、しかしその真意は流石の鬼道にも分からなかった。
「最後まで見て行かなくていいのか？」
「誰かさんの顔を見たら、気分が悪くなったわ。だから帰る」
「……」
鬼道の問い掛けに彼女は背中を向けたまま応えると、そのまま来た道を引き返して行った。
後に残った鬼道と佐久間はその背中をただ眺めた後、佐久間は怒りに顔を歪ませた。
「あの女っ……帝国学園はおろか、鬼道さんまで侮辱するだなんて……！」
「…許してやれ。アイツは昔からああなんだ」
「それは…昔からあの女は鬼道さんを侮辱しているって事ですか…？！」
「そうじゃない。……それに、少し気になるところもあった」
憤慨する佐久間に対し、鬼道はそれよりも気になる事があるようだった。
彼女の小さくなる背中を見遣り、鬼道は顎に指を添える。そのまま少しの間、神妙な面持ちで何やら考えているようだったが、1つ息を吐くと視線をグラウンドへと戻した。
「……まぁ、いい。その内戻って来るだろう。
彼女はあのまま放っておけばいい」
「……正直、戻って来て欲しくないんですがね」
「そう言ってやるな。
それとも、あの時の�狆”薛瓩了�をまだ根に持っているのか？」
「………………」
鬼道の問い掛けに佐久間は口を噤む。
どうやら図星のようだった。
苦虫を噛み潰したような顔をしていたので、鬼道は思わず苦笑する。
しかし佐久間はソレを笑われたのかと思い「……笑わないで下さい」と呟くと、鬼道は表情を改める。
そうしてその後は佐久間と共に、彼女の代わり試合の行く末を見守った。
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真昼 - 久しぶりに見て見ました。更新されていて、嬉しかったです\(//∇//)\ (2023年1月15日 0時) (
レス) @page34 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます！いずれ絡ませたいとは思っていますが、いつになるのかはごめんなさい、作者も分かりません……基本無計画なので(殴)更新も遅いですが、でもゆっくりでも頑張りますー！ (2022年10月10日 16時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 更新頑張ってください (2022年10月10日 14時) (レス) @page17 id: e325fc5c3e (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 帝国キャラと女主が関わってほしいです。 (2022年10月10日 14時) (レス) @page17 id: e325fc5c3e (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ちゃんちゃんさん» コメントありがとうございます！恐縮です…それだけ楽しんで頂けているようで作者、感無量です…！！ありがとうございます！ (2022年9月20日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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