△リボンが239こ▽ ページ46
腕の外側の方は足と変わらず酷い有様だった。
痣に切り傷、火傷跡、擦り傷、腫れた跡。
他にも、何をどうしたらこんな跡が付くのか想像もつかないような痣等があった。
それだけでも絶句ものだが、内側の方はもっと酷く
赤黒い横線が幾重にも引かれていた。
恐らくカッターのような刃物で切り刻んだんだろう。
ただ、真名部が想像していた範囲を遥かに超え
その赤黒い横線は腕の内側全体に引かれていた事だった。
手首は勿論の事、肘から下、肘から肩、更には関節部分に至るまで。
何十、何百、ヘタしたら何千もの線が引かれ
真名部はもう怖くて直視出来なかった。
「っ…?!っ……!?」
「気持ち悪いよね。私もそう思う」
傷の深さもバラバラで、特に酷いのは手首の辺り。
真名部は思わず目をそらしてしまったが
対してAはへらりと笑う。
信じられなかった。
コレを自分でやっただなんて。
手首を切る事だけでも、真名部にとっては想像するだけで痛々しく、とてもやろうとは思えないが
Aはソレを自分で、しかもこんなにも沢山の跡が残るまでやったのだ。
痛くなかったのだろうか?
血はどれぐらい流れたのだろう?
どれくらい前にやったのだろう?
この跡はもう治らないのだろうか?
疑問が尽きず、真名部は恐る恐る視線を戻し
そっと、Aの左手を握った。
「…………どうして、こんな事を?」
「ママがいなくなった時にね、私怖くなっちゃって……だって何日も何日も1人でお留守番なんて、私初めてだったから……
その怖いのを紛らわせようとしてね、怖いを狡砲き瓩砲靴燭蕁大丈夫かなって。私、痛いのは慣れてるから!
ちゃんといい子でお留守番出来るかな、って思って……」
「えへへ」笑って肩を竦めるA。
これには真名部もいつものように乾いた笑いさえ浮かばなかった。
Aは人一倍寂しがり屋だ。
『兎は寂しいと死ぬ』なんて言われるが、まさに彼女がソレに当てはまるのだろう。
そもそも、真名部を誘拐した理由も『通り魔殺人事件』を引き起こした原因も、そんな彼女の寂しがり屋な面が災いしたのだ。
母親がこの家を出て行って、1人でいるのが寂しくて。それが怖くて。
だからAは他の感情で誤魔化そうとした。
その感情こそが狡砲澂
よりにもよって、1番身近になってしまった狡砲澂瓩鯣狃は選んでしまった。
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*IJu*(プロフ) - あずさん» はじめまして!コメントありがとうございます!一気見するぐらい夢中になって頂けて嬉しいです(´˘`*)お褒めの言葉もありがとうございます、恐縮です…!これからも更新頑張りますー! (2021年2月8日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
あず - はじめまして…!今日このシリーズを見つけて、一気見してしまいました…!!!真名部が少しずつ追い詰められていく様子が細かく描写されていて凄く読み応えがありました…!!本当にすごいです!!これからも応援しております…!! (2021年2月7日 17時) (レス) id: 9c7942e2bb (このIDを非表示/違反報告)
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