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△リボンが229こ▽ ページ36

見た目は自分より年上なのに、中身はてんで幼稚な少女。
その幼稚な思考回路故の残酷性を今回まざまざと見せ付けられた。

一体どんな生活をしたらあんな風になるのだろうか。
皆帆にはさっぱり理解出来なかったし、したくなかった。


ただ1つ、あんな彼女といると真名部が可笑しくなるのもわかる気がした。


いや、可笑しくならないと生きていけない。
正気でいたら今頃、確実に彼女に殺されているだろう。

やはり真名部が彼女に好意的なのは、心的ストレスを少しでも和らげる為だ。
同時に彼女に縋っていないと生活出来ない状況にあるのかもしれない。

そうだとするなら、尚更あり得る。
皆帆は改めて思った。



『でも真名部くんを連れ帰れなかったのは残念……』

『仕方ないだろ。向こうが戻る気無かったんだから』

『戻る気無かった、って……』
『誘拐されてるのに?』

『ああ。俺達もよくわかんね』
『でもあの時は真名部の意思であのフライパン女についてっちまった』

『依存……でもしたんだろうか』

『もうワケわかんねーよ……』
『折角ここまで頑張ったってのに……あの野郎』



5人の無事を喜ぶ一方で
真名部を取り戻せなかった事に落胆する。

心配する声。投げやりな声。疑問を問い続ける声。
様々なトークを皆帆はぼんやりと眺めていたが、ふと神童の書き込みに思わず目を細める。


依存………言葉の意味は知っているが、まさか自分の親友に当てはまるとは夢にも思わなかった。


考えてみれば執着的だったのはAではなく真名部の方だった。


Aは最初は真名部にそこまで執着を見せず
真名部が激高してその場から去ろうとした時も
1度立ち止まって真名部にもう一度話し合うよう遠まわしに尋ねていた。


それに対し、真名部は最初から最後まで彼女に寄り添った考えを持ち、ソレを自分達にも理解してもらおうとしていた。

彼女と離れるのを心底嫌がり
彼女といない時は終始落ち着かない様子だった。


何より、真名部が放った言葉。



『どうして、アナタまで……僕を認めて、くれないんですか?

どうして誰も……僕をわかってくれないんですかっ……!!』



あの言葉が、今の今までの彼の経験の上で語られた言葉なら。

真名部が誘拐される前の家庭環境が
受験というイベントによって逆行してしまったと言うのなら。



………皆帆はそこまで考えて、頭を抱えた。

△リボンが230こ▽→←△リボンが228こ▽



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*IJu*(プロフ) - あずさん» はじめまして!コメントありがとうございます!一気見するぐらい夢中になって頂けて嬉しいです(´˘`*)お褒めの言葉もありがとうございます、恐縮です…!これからも更新頑張りますー! (2021年2月8日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
あず - はじめまして…!今日このシリーズを見つけて、一気見してしまいました…!!!真名部が少しずつ追い詰められていく様子が細かく描写されていて凄く読み応えがありました…!!本当にすごいです!!これからも応援しております…!! (2021年2月7日 17時) (レス) id: 9c7942e2bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年12月29日 3時

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