しりとりするのです ページ26
『とりあえず、そういう事でいいんだよな？』
「はいなのです」
不動さんと待ち合わせの時間と場所を確認し、私は頷く。
実はイナラインで1度軽く話し合っていたので。
結構前に送ったんですけれど、不動さんは記憶力が良いそうで。
あっさりと明日の予定について話し終わってしまいました。
「ちゃんと覚えてて偉いですね。
此処に不動さんがいたら頭撫でてあげてました」
『なんだソレ、ガキくさい』
「でも今不動さんはいないので、目の前にあるぬいぐるみを代わりに撫でてあげてます」
『……なんだ、ソレ』
でもやはり、もう少し話したい気持ちがあり
私はなるべく話を引き伸ばすよう、適当に話を続けてみる。
あ、でもぬいぐるみを撫でてるのは本当ですよ。
こう見えても私は女の子ですからね。
可愛いぬいぐるみの1つや2つはあるのです。
……まぁ、全然不動さんの似てないんですけれど。
『じゃ、とりあえず…また明日な。おやすみ』
「しりとりしましょう」
『し……は？しりとり？』
「しりとりしましょう。最初は『り』です」
『なんで急に？つか夜遅いし……』
「りんごジャム！はい、不動さん、次『む』です」
『いや、だからなんで？』
ああでも不動さんは早々に電話を切ろうとしています。
なので私は唐突にしりとりを初めてしまうと、不動さんに案の定ツッコまれてしまいます。
おやすみ、じゃないんですよ。
おやすみしたくないんです。
折角不動さんとお話しているのに。
すぐ寝てしまうだなんて。なんて勿体ない。
もう少し、もう少しだけ不動さんとお話したい。
不動さんのお声を聞いていたい。
笑っている声も、慌てている声も、驚いてる声も。
どんな不動さんのお声も聞きたいのです。
……あ、でも怒ってる声はパスで。
あの声はもう聞きたくありません。
『……明日、デートなんだろ？』
「…はい」
『つまり、明日も会えるだろ？』
「……はい。でも会えるまでが寂しいじゃないですか」
『寝てればあっという間だ』
「こんなにドキドキしていたら、すぐには眠れそうにありません」
『なんで会う前にドキドキしてんのかな、この子…』
不動さんの呆れたような溜め息が聞こえる。
でも仕方ないじゃないですか。
だって大好きな人の声と電話しているんですよ。
そうでなくても、いつも不動さんといるとドキドキしてしまいますのに。
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＊IJu＊(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» コメントありがとうございます…！楽しんで頂けたようで良かったです^^更新頑張りますー！ (2021年11月4日 1時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！続きを楽しみに待っています！(*´ω｀*) (2021年11月3日 4時) (レス) @page50 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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