お弁当なのです ページ11
山菜さんに御礼を言って、教室に戻りますと、いつの間にか天馬くん達も集まっていました。
先にお昼を食べていたようで、天馬くんは私に気付くと「やっほー!」とおにぎり片手に手を振ってくれました。
「Aちゃんもきたきた!お昼一緒に食べよ!」
「はいなのです。狩屋くん、カバンからお弁当取ってくれます?」
「もう取った。ほらよ」
「……人のカバンを勝手に漁るとは」
「ど、どうせ大したモノ入ってないだろ?
取ってやったんだから文句言うなよな…」
口を尖らせながら狩屋くんは私のお弁当箱を手渡してくれました。
確かに私のカバンの中に大した物は入っていませんが
これから家宝にもなる物を入れるので、今後このような事は控えてもらいたいものです。
「Aちゃん、今日のお弁当はなーに?」
「今日は……アスパラの肉巻きなのです。
ポテトサラダも入ってますね」
「美味しそーう!1つちょーだい!」
「葵さんのタコさんウィンナーとトレードしましょう」
「いいわよ!はい、どーぞ!」
お弁当箱を開き、葵さんに中身を見せ
お互いのおかずを1つずつ交換に出します。いつもの事です。
そうして早速タコさんウィンナーを1口。
お弁当のウィンナーってどうしてこう、美味しいんでしょうか。
もう1つ貰いたいくらい美味しいのです。
因みに卵焼きの日だけは行いません。
だって譲れませんもん。卵焼きは。
美味しいんですもん。卵焼きは。
「そう言えば……Aは何の写真貰ったの?」
「ふぉい?」
タコさんウィンナーを飲み込み、次のおかずを口に入れた所で、ふと影山くんが思い出したかのように私に尋ねた。
すると狩屋くんも「確かに」と私を見遣り、不思議そうな顔して続けた。
「俺達は自分の活躍した所の写真貰ったけれど……
Aは試合出てないし。なんか撮って貰ったの?」
「ふ、ふぉれは……」
……そう言えば、さっき見せて貰った写真達はどれも自分達の活躍した所を激写した所でした。
剣城くんも影山くんも狩屋くんもそうでした。
でも私は当然試合に出ていません。
だけど写真を貰っている。
だって不動さんの写真だから。
48人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*IJu*(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» コメントありがとうございます…!楽しんで頂けたようで良かったです^^更新頑張りますー! (2021年11月4日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです!続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2021年11月3日 4時) (レス) @page50 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ