△リボンが247こ▽ ページ5
「体温計はありますか？」
「救急箱の中…」
「風邪薬とかは？」
「お薬……お薬は確か、ママの部屋……」
「うっ……わ、わかりました……」
抵抗するAをようやくソファに寝かせ、掛け布団と毛布を掛けた後、真名部は体温計を探し出して彼女の熱を測る。
結果、彼女の現在の体温は37.2。
微熱だが聞いた症状からも風邪のようだ。
風邪薬の場所も尋ねたが、ソレはよりにもよって彼女の母親の部屋にあると言う。
元々あの部屋に行く気は無かったが、Aに止められたのもあり、真名部は風邪薬を探すのは断念。
ソレ以外で彼女の症状をこれ以上酷くさせないよう対処する事にした。
「(冷却シートみたいな物があれば良いのですが……救急箱にはありませんでしたし……それに喉も痛いんですよね。喉には何がいいんでしたっけ……)」
風邪の時の対処法を頭の中で考えながら、真名部はおもむろに冷蔵庫を開く。
暫くの食料の中に風邪に良さそうな物は無い。
当然だ、まさかこうなるとは思わなかったから。
こうなる事なら生姜の1つでも買えば良かった、なんて真名部は思ったが仕方の無い事。
とにかく今ある物で風邪に少しでも効く物はないか
そんな知識などほとんどないにも関わらず、冷蔵庫の中身と睨めっこしながら考えた。
「ね〜え、まなべ〜……ずっと寝てなきゃダメ？」
そんな真名部の背中をカウンター越しに見ながら
Aはやけに間延びした声を発する。
その顔はつまらなさそうだ。
いつもならこの時間は起きてドリルをしているか真名部と一緒に遊んでいるからだろう。
言いつけ通りソファから起き上がらないものの
片足をソファから投げ出してゆらゆらと揺らしていた。
「ダメですよ。初期症状とは言え風邪は風邪です。
早めに対処すれば、それだけ苦しむ期間も短くなりますから」
「でも全然具合悪くないよ〜！遊びたいよ〜！
まだ苦しくないから遊んでもい〜い〜？」
「ダメですって。足もちゃんと布団の中に入れて下さい」
「……は〜い……」
ｺﾞﾛﾝと転がりうつ伏せになって話していたAだったが、真名部に言われて渋々仰向けに戻ると、投げ出していた片足も布団の中に引っ込めて肩まで潜る。
その間も真名部は冷蔵庫の食材と睨めっこだ。
時折中から食材を取り出してはﾌﾞﾂﾌﾞﾂと1人考えている。
その背中を見てAは拗ねた子供のように唇を尖らせた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 22人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
イナイレだけは嫌だって言ったじゃん！？(泣) Part6【オリオンの刻印】
【妖怪ウォッチ】雷門の天才少女は妖魔界の人気者！？〜その2〜【イナイレ】
守ってあげる【涼野風介／ヤンデレ】
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊IJu＊(プロフ) - 莉央夏さん» ストーリーは前々から薄ら出来上がっていたので、書いちゃいました()まだお話をまとめている途中なのでパスかけてありますが、お話が固まり次第公開しようと思いますので、気長に待って頂けると……！更新頑張ります！ (2021年5月18日 22時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
莉央夏 - 「箱庭少女の孤高哀歌」のその後を書いていただきありがとうございます！パスワードがかかっている為まだ見れていませんが無理なさらず投稿して下さい！応援してます♪ (2021年5月18日 18時) (レス) id: e85eafe245 (このIDを非表示/違反報告)
莉央夏 - ありがとうございます！気長に待ちますね！無理だけはなさらずに！ (2021年5月12日 8時) (レス) id: e85eafe245 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 莉央夏さん» ですが、まさかこうしてわざわざ御希望のコメントを貰うとは……！ちょっと前向きに考えてみますね！ (2021年5月11日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 莉央夏さん» 他の作品も掛け持ちしてるし、まだまだ書きたい作品があるので優先順位が自分の中でどんどん後ろに追いやられている状態です…… (2021年5月11日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
