お土産なんだよ ページ7
「お土産……ちゃんと狩屋くん達の分も、買ったんです。どうぞ」
「えっ……え？」
おもむろに彼女はカバンから袋を取り出す。
可愛らしい魚が描かれた小さな紙袋だった。
その紙袋を見るに、どうやら今日は水族館に行ったみたい。
でも急に話が変わったものだから、俺は拍子抜けしてしまう。間の抜けた声を上げ、彼女を凝視していると、Aは持っていた紙袋を押し付けるように俺に渡して来た。
「お名前、書いてありますので。
私の代わりに皆さんにも差し上げて下さい」
「えっ……ちょ、なんで……」
「私は部屋に戻ります。では」
「あ……おい！俺の質問に答えてっ……」
そうしてそのままフラフラと彼女は行ってしまった。
俺が引き留めるのも構わずに。
追い掛けようかとも思ったが、やめた。
今の彼女には何言っても何も答えてくれないし、俺も何も出来ないと思ったから。
つーかアイツ、コレで誤魔化したつもりかよ……
そりゃ、適当に分かりやすく嘘でも吐いとけってさっき言ったケドさぁ……あからさま過ぎるじゃん。
思わず溜息を吐いて、俺はAから貰った紙袋の中身覗く。中に何か入っているであろう小袋が数個。
それぞれに違う人の名前が丸っこい字で書かれていた。
個数から見るに、俺達の学年分だけだな。
その内の1つ、『狩屋くん』と書かれた袋を手に取った。
……つーか、コレを俺に託すって事は……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 58人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊IJu＊(プロフ) - 白銀さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて嬉しいです^^更新頑張りますー！ (2021年11月27日 23時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
白銀 - めっちゃ好きです。頑張ってください！ (2021年11月25日 0時) (レス) @page4 id: e22066a027 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
