△リボンが350こ▽ ページ10
住宅地を抜けて少し進むと、稲妻商店街に辿り着いた2人。昼間とはまた違う活気に満ちた通りにAは目を輝かせる。
本当はさっさと駅に行きたかった所だが、あんまりにもAが行きたそうな顔をしていたのと、実際に「ちょっと寄ろうよ！！」と真名部の腕をグイグイ引っ張るので、根負けして2人は寄り道する事にした。
「すごいすごい！いい匂いがいっぱいする〜！
それにこの道だけあっかるーい！すごーい！！」
「あ、あんまりフラフラしちゃダメですよ。
他の通行人に迷惑がかかります…！」
もう夜だと言うのに、店の明かりと街頭で照らされたその通りは住宅地の何倍も明るく、まるでここだけまだ昼間のよう。
更には昼にはしなかった焼き鳥やおでんなどの居酒屋の香りがして、夕食を食べたはずなのにお腹が空いてしまいそう。
勿論、Aは大はしゃぎで、あちこちに視線を向けながら目を輝かせる。
そんなんだから通行人からは微笑ましそうに見られ、注目されている事に真名部は焦りを感じ、彼女を宥めた。
「おう！そこのお2人さん！」
「っ……？！」
そんな感じで真名部は内心ビクビクしながら通りを見て回っていると、不意に威勢のいい男性が自分達を呼び止めた。
途端に真名部の顔は青ざめる。
対してAは「はぁい！」といつも通り反応をして、声を掛けたその男の元に駆け寄った。
真名部とは手を繋いでいたので勿論、真名部も一緒だ。
拒否する間もなく引っ張られ、2人は男の前に立った。
その男は小さな居酒屋の店主だったのだろう。
真名部の記憶だと昼間はこの場所は焼き鳥を焼いて売っていたのだから、居酒屋として店を開けるのは夜の間だけのようだ。
客引きの目的もあるのだろう。
奥にも厨房が見えるのだが、焼き鳥を焼くスペースだけは外からも見えるようになっていて、男はそこで焼き鳥を焼いていた。
「お2人さんは此処は初めてかい？
あんまり見ない顔だが」
「ううん！でも夜に来たのは初めて！」
「そうかそうか！道理で見ないはずだ！
おっちゃんは夜しかこうして働かないしな！ガハハ！」
やけにデカい声で話すその男。
豪快に笑う彼にAはいちいち返答を返すので
男も気分が良くなっている様子。
対して真名部は気が気でなかった。
また前のようにこの男もAが手に掛けたらどうしようかと、Aの挙動を注意深く観察する。
そうしていつでも彼女を止めれるように心構えをしておいた。
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＊IJu＊(プロフ) - キジバトさん» 初めまして！コメントありがとうございます^^楽しんで頂けているようで良かったですー！作者無計画なんでこの章で終わるかはわかりませんが、でも終わりが近付いているのは確かなので、是非最後まで楽しんで頂けたら…！更新頑張ります！ (2021年12月24日 0時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
キジバト - 初めまして！この作品めちゃめちゃ大好きです！文章もすっごい神だし、真名部の心の動きとかがすごく丁寧に書かれててすごく面白いです！クライマックスなのはちょっと寂しいですが，そのまま最後まで頑張ってください…！応援してます！ (2021年12月23日 1時) (レス) @page1 id: 7552df8542 (このIDを非表示/違反報告)
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