△リボンが344こ▽ ページ4
その後は夕飯までいつも通りに過した。
その際、真名部はテレビのニュースを度々確認したが、やはり自分達の事件についてはノータッチ。
報道されてはいなかった。
不安が募る中、それでも彼女と今夜、家を発つ事を決意する真名部。
勿論、帰って来るつもりはない。
彼女には悪いが、もう留守番どうこう言える状況ではなくなってしまった。
自分達の動向が見張られていると思っている真名部はとにかく彼女を逃がす事を1番に考えた。
「ねぇねぇまなべ！このワンピースまた着てってもいーい？」
「ええ、構いませんよ。でも急いで下さい。
あんまりゆっくりしないで」
「え？どうして？」
「は……早く、行きたいじゃないですか？
僕なんか楽しみで楽しみで…1分1秒がとても惜しいんです」
「そっかぁ……じゃあ、早速着替えるね！」
「っ…？！だ、だからって此処で着替えないで下さいっ！！」
真名部の焦りなど露知らず、Aは呑気に着ていく服を選び、真名部に見せ、そして喋る喋る。
いつもならそんな彼女を微笑ましく思っていただろうが、今は本当に時間が惜しい。1秒でも早くこの家を出たかった。
既に出掛ける準備が整った真名部はそんな彼女になるべく棘を感じさせないよう言い聞かせると、今度はその場で服を脱ぎ出す始末。
慌てて真名部はそれを止め、別室で着替えるよう言い渡す。Aはまた首を傾げて不思議そうな顔をしながらも「はぁい」と風呂場の方へと引っ込んで行った。
「(とりあえず、財布と鍵と……あと念の為、武器を持って行きましょう。何かあった時の為に……)」
彼女の姿が無くなると、真名部は今1度自分の持ち物を確認して、おもむろに部屋を見渡す。
武器になるような物を探してみるが……リビングには無さそうだ。
真名部はキッチンに場所を移し、戸棚を開いてみる。
まず思い付くのは包丁だろう。
ドラマでもよくある事だし、何より殺傷力が高い。
振り回すだけでも対人相手なら怯む事だろうし、切っ先を向ければ脅す事も可能だ。
最も、そんな事したくはないのだが。
だが包丁はどれも大きく、隠し持つには無理があった。
真名部は溜息を吐き、戸棚を閉じると、別の棚に移動する。
「……そういえば、」
ふと真名部は食器類が収納された引き出しを開く。
真名部によってフォークやスプーンが綺麗に陳列されたその中に手を伸ばし、ある物を手に取ってみる。
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＊IJu＊(プロフ) - キジバトさん» 初めまして！コメントありがとうございます^^楽しんで頂けているようで良かったですー！作者無計画なんでこの章で終わるかはわかりませんが、でも終わりが近付いているのは確かなので、是非最後まで楽しんで頂けたら…！更新頑張ります！ (2021年12月24日 0時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
キジバト - 初めまして！この作品めちゃめちゃ大好きです！文章もすっごい神だし、真名部の心の動きとかがすごく丁寧に書かれててすごく面白いです！クライマックスなのはちょっと寂しいですが，そのまま最後まで頑張ってください…！応援してます！ (2021年12月23日 1時) (レス) @page1 id: 7552df8542 (このIDを非表示/違反報告)
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