◇ラプンツェルはグチャグチャ ページ4
フドウの技術は凄い。
キドウと同等にプレイ出来るぐらい凄いの。
それは私もキドウも知っている。
ただ、その使い方が乱暴で汚い。
フドウのプレイはあの時から全く変わってなかった。
周りの事は考えないし、指示には従わないし。
でも監督に何にも言われなかったんだから、不思議。
とにかく、そこさえ直してくれれば
きっとフドウはいいチームメイトになれると思うの。
でも今の調子だと……ライモンのように心から信頼し合うって言うのは難しそう。
初日からの乱暴なプレイで既に孤立気味だし……
それにあの性格も言っても直してくれなさそうだし。
「…そうだね…フドウ、とっても強いんだけどね。
……人を利用する事ばかり考えてるから」
「やはり真・帝国学園の頃からなのか?」
「うん……そう。ライモンとの試合の時もあんまりにも必死で……怖くて」
話している内に思い出して来ちゃって、私は思わず視線を落とす。
ライモンと試合をしたあの日の事は正直思い出したくない。
サクマとゲンダが禁断技を打った事。
私がライモンに酷い事をした事。
フドウがソメオカに大怪我させた事。
全部全部、思い出したくない。
思い出すと、フドウが許せなくなる。
試合の後も潜水艦を爆破されたりと散々な目にあったし、最後に私はフドウに………
「………大変だったんだな、お前も」
「ううん、でも試合以外の時は結構頼りになってたの!色々教えてくれたり、私のワガママ聞いてくれたり……!その時はとても優しくて……」
次に思い起こすのは、あの試合以外の出来事。
初めてサッカーを教わった時とか、外に連れ出してくれた時とか、飛んで来たボールから私を守ってくれた時とか。
でも話が変な方向に行ってる事に途中から気付いて
私は思わずハッとすると、慌てて言葉を付け足した。
「その…で、でもやっぱり!あの意地悪な感じは許せないよね!まるでシンデレラの継母みたいでさ!」
「あ…ああ……」
「……だけど、そこまで悪い人じゃないと思う、から……その、嫌いになったりとかは、しないであげて」
「……」
……何を言ってるんだろう。
意地悪って言ったり、嫌わないでって言ったり。
やっぱり、まだ私の中ではグチャグチャのまま。
フドウを許せない自分とフドウが大好きな自分がいる。
私の話にキドウも不思議そうな顔をして
訝しげに私を見つめていた。
142人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*IJu*(プロフ) - みづきちさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けてるようで良かったです( ˇωˇ ) (2020年11月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
みづきち(プロフ) - 尊い、、、ありがたや(拝) (2020年11月4日 22時) (レス) id: 1fec416d23 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ