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◆悪者は気分が悪い ページ16

「……お見事、オオカミさん?」



ヒロトに監督の部屋の場所だけを教えて貰ったちんちくりんは、俺達と分かれると1人階段を上って行った。

去り際にヒロトには「また後で」と笑顔で
俺には「おやすみ、フドウ!」って吐き捨てるように言われ、あのチビが去るとヒロトは茶化すようにそう言って笑った。


あー、このオウジサマみたいな笑顔。
なんかムカつく。



「…じゃーな。俺はもう部屋に戻る」

「待って。良かったらこの後、Aちゃんと話すんだけど、不動くんも一緒にどうだい?」

「お心使い感謝致します、オウジサマ?
……お前らなんかと話すだなんてゴメンだね」

「じゃあ、どうして不動くんはこんな時間にこんな所にいるのかな?」



階段登って部屋に戻ろうとしたが呼び止められ
ちょっと会話に付き合ったらコレだ。
コイツ、ホント気に食わねェ。


振り返ってヤツを睨むと、ヤツはニコニコ笑ってた。

こてんと首を傾げてさ。
気色悪いったらないぜ。


俺がそうしない理由をわかってるクセによ。



「キミって時々、どっちなのかわからないよね」

「俺が悪人か、そうでないか、か?」

「ううん。Aちゃんの傍に居たいのか、居たくないのか」

「あのちんちくりんの傍に?俺が??居たい???
どうやら誰かさんのメルヘン脳が移っちまったようだな?」



笑ってしまった。
あんまりにも頭の悪い事言い出すから。

1人でくつくつ笑ってしまった。


でもそういう話をしている時に限ってヤツは笑ってないと来た。

なんだ、コイツ?本気で聞いてんのか?
流石オウジサマだ。
脳内ではさぞキレイなお花畑が広がっている事だろう。



「……居たいワケないだろ、あんなじゃじゃ馬。
散々振り回されて来たんだ。寧ろ、清々してるよ。
アイツのお守りはもうゴメンだ」

「そうは言う割にはキミ、なんだかんだ言って彼女を気遣っているように見えるけれど……」

「なワケねーだろ。寧ろ、どーやったらそう見えるのか。変なフィルター掛けてんじゃねーよ。
……ったく、お前と話してると、あのちんちくりんと話してるようでイライラして来るぜ」

「……」



コイツも人の事言えないヤツだ。
全部知ってる上で聞いて来る。
そこもまたムカついた。

折角シャワー浴びたってのに気分が悪い。
これ以上は余計にイライラするだけだから、もう部屋に戻ろうと再び階段を登り始めると、ヤツは最後に言った。

◆悪者の悩み→←◇ラプンツェルは知らなかった



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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年12月31日 1時

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