余計な事ではないのです ページ8
「…？急にどうしたんですか、狩屋君？」
不意に抱き寄せられたと思ったら、耳元で弱々しく謝られてしまい、私は内心戸惑い、狩屋君に尋ねる。
そうしたら狩屋君は苦しくなる程私をｷﾞｭｯと抱き締めながら、震える声で続けた。
「俺が……お父さんに会いに行こうなんて、言わなければ…こんな事にはならなかったのに。
不動さんに逆らって病院に行かなければ、Aが悲しむ事はなかったのに」
「狩屋君……」
…心做しか、鼻声のような気がする。
もしかして狩屋君、泣いているのでしょうか。
そうでなくとも、この弱りよう。
普段の狩屋君からは想像もつきません。
少し戸惑いましたが、狩屋君なりの気持ちを考えたら、応えないワケにはいかなくて。
私はﾄﾝﾄﾝと狩屋君の背中を叩くと、狩屋君はそっと私から身を離した。
…ああ、やっぱり涙が滲んでますね。
うるうると涙を目尻に溜めて、今にも溢れてしまいそう。
そんな狩屋君の顔を見上げて、彼の頬に両手で触れる。
そうして私は口元に笑みを浮かべると、親指で狩屋君の頬を撫でながら口を開いた。
「…先程も言いましたが、狩屋君のせいではありませんよ。遅かれ早かれ、私は悲しむ予定だったんですから。
ただ、今回は予定が早くなった上に、狩屋君や不動さんに見られてしまっただけです。
本当なら、誰にも知られずに1人で全部済ませようとしていましたから」
「……1人で？」
「はい、1人で」
狩屋君の返答に私はオウムのように返すと、狩屋君はﾊﾟﾁﾊﾟﾁと瞬きをした後、また悲しそうに目を伏せた。
ああ、そんな顔させたくなんてないのに。
遂には「俺、余計な事、した…？」と小さな子供のような不安げな瞳で尋ねるので、私は悲しむ首を横に振って否定した。
「とんでもない。狩屋君の気持ちは素直に嬉しかったです。狩屋君は狩屋君で私の事を考えてくれたんですよね？」
「……うん」
「それに、私は狩屋君のそういう所、好きですよ」
「えっ……」
瞬間、ﾌﾞﾜｯと顔が赤くなる狩屋君。
今日の狩屋君の感情は忙しいですね。
でも今ので少しは元気が出たのか、狩屋君は滲んでいた涙が零れる前に袖で拭うと、彼ははにかんだ。
「…でも、今度から1人で悲しむのはナシな」
「なら、悲しい時は狩屋君の所に行くようにしますね」
「………それ、マジ？」
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ゆうくん(結翔)(プロフ) - ＊IJu＊さん» いえいえ！！はい、頑張ってください！！！ (2020年5月6日 8時) (
レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ゆうくん(結翔)さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです( ´ ▽ ` )これからも頑張ります〜！ (2020年5月6日 4時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうくん(結翔)(プロフ) - とても内容めっちゃ好きです(語彙)これからも頑張ってください！！！ (2020年5月4日 13時) (レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
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